IBMがNetezzaの買収でBI事業を強化。VMwareはノベルと買収の交渉中
IBMは9月20日付けで、ビジネスインテリジェンスやビジネスアナリティクス分野向けのアプライアンスベンダであるNetezza(ネティーザ)を買収したと発表しました。
IBMがBI分野をNetezza買収でさらに強化
ビジネスデータ分析は今後大きな成長分野として見込まれています。これは、企業のビジネスそのもののシステム化が進んだことで、在庫から販売状況、営業件数などの経営に関するデジタルデータが蓄積されたこと、そして顧客や市場に関するデータ、例えば広告効果、自社製品の評判、競合他社の動向までもが大量のデジタルデータとして入手可能になったおかげで、これらのデータを科学的な手法で分析し、経営に反映することが非常に重要になってきているためです。
ここ数年を見渡しても、IBMはコグノスを買収し、SPSSを買収してビジネスデータ分析の強化を継続的に続けています。もちろん同社の競合ベンダも黙ってはいません。これまでにSAPはビジネスオブジェクツを買収、オラクルもハイペリオンを買収するといったように活発な買収が行われています。
IBMはデータ分析向けのアプライアンスとして、DB2とCognosを同社のサーバに搭載、データウェアハウス用に最適化して性能を高めた「IBM Smart Analytics System」を提供していました。大規模データ分析では、目的がはっきりしている分、アプライアンスのようなハードウェアとソフトウェアの組み合わせで最適化することにより、低価格で高性能を実現する余地が多くあります。Netezzaも、独自のハードウェアアーキテクチャを採用したアプライアンスで高性能かつ低価格を実現していました。
IBMは発表の中で、Netezzaの買収によってビジネスアナリティクスをより簡単でシンプルに、低コストで提供することが可能になるとしています。以下は2分弱のIBMとNetezzaの買収合意についてのビデオです。
VMwareがノベルと買収交渉
VMwareが、ノベルのSUSE Linux部門の買収を検討中だと報じられています。
VMwareは仮想化を実現するハイパーバイザを主力とするベンダから、昨年はSpringSourceやZimbraを買収したことで、ソフトウェア開発のためのフレームワークやWebアプリケーションを製品のラインナップに揃えるソフトウェアベンダへと転換しました。
しかしハイパーバイザとアプリケーションフレームワークの間をつなぐOSは自社製品としては持っておらず、今年の6月にノベルと戦略的提携をしてSUSE Linuxをバンドルすることを発表したばかりでした。
ノベルのSUSE Linux部門を買収することで、VMwareはハイパーバイザ、OS、フレームワーク、アプリケーションに渡るすべてのソフトウェアスタックを手にすることとができます。
これは、マイクロソフトがHyper-V、Windows、.NET Framework、そしてExchange serverやSharePoint Serverを備え、オラクルがOracle VM、Solaris/Oracle Linux、Fusion Middleware、E-Business Suiteなどを備えているのと肩を並べることになります。SUSE Linux部門の買収を行うことになれば、VMwareは本格的に総合ソフトウェアベンダとして脱皮することになるでしょう。