デルの新型ブレードサーバ、GPGPU搭載でピーク性能は400ギガフロップス
デルは、同社の最新ブレードサーバ「PowerEdge M610x」に、グラフィックスカードを処理性能向上の目的で搭載可能にしたと、同社のブログで伝えています。
グラフィックスカードに搭載されているGPUの能力を、一般的な計算処理に使う「GPGPU(General Purpose GPU)」は、ベクトル型の処理ではCPUの数十倍以上の処理能力を発揮するとされており、流体計算や気象のシミュレーション、暗号解読、音声やビデオなどの波形処理など、高速な並列処理を得意としています。
PC Worldの記事「Dell Adds GPUs to Blade Server for Performance Boost」によると、このブレードサーバにNvidiaのTelsaカードを搭載した場合、ピーク性能は400GFLOPS(ギガフロップス)に達するとのこと。
いままでGPGPUはワークステーションで利用することが一般的でしたが、ブレードサーバに搭載されることで、複数サーバのGPGPUを同時に活用する大規模な並列処理アプリケーションの展開や、業務アプリケーションでのGPGPUの活用といった展開が広がるかもしれません。
2つのPCI-Expressスロット
このM610xはCPUにIntel Xeon 5500/5600の2ソケットを備え、最大搭載メモリは192GB。2つのフルレングスPCI-Expressスロットに最大250ワットまでのグラフィックスカードを利用可能。
PCI-Expressカードにはグラフィックスカードのほか、RAIDカードを導入してローカルストレージ性能を向上させたり、I/Oアクセラレーションカードなどを導入することでサーバ性能の向上をはかることもできると説明されています。
デルはほかのサーバベンダのような独自開発チップセットなどは採用せず、標準的な構成のサーバを提供し続けてきたベンダです。しかし、4月に発表した「PowerEdge M910」では、2ソケットで4ソケット分のメモリを搭載可能なFlexMem Bridge技術を採用し、そして今回はGPGPU搭載ブレードサーバなど、標準技術の範囲の中でユニークな工夫によって特徴あるサーバ製品を提供しはじめています。
サーバのコモディティ化が進むといわれている一方で、記事「サーバは「単体」から「群体」へと進化中」に書いたように新たなサーバへの進化が模索されているのかもしれません。