Google Docs対抗、米オラクル「Oracle Cloud Office」発表
米オラクルは、Webブラウザから利用できるオフィスソフトウェアの「Oracle Cloud Office」と、Windows、MacOS、Linux上で動作するオフィスソフトウェアの最新版「Oracle Open Office 3.3」を発表しました。
Oracle Cloud Officeは、グーグルのGoogle DocsのようにWebブラウザから使えるオフィスソフトウェアで、モバイルデバイスのWebブラウザからも利用できると説明されています。マイクロソフトのOfficeやOpen Officeと互換性があり、Open OfficeのファイルフォーマットであるODFをサポート。
製品として提供されるのは、企業内のサーバにインストールして利用する「Oracle Cloud Office Professional Edition」と、クラウド事業者やデータセンター事業者が一般向けサービスとして提供するための「Oracle Cloud Office for Service Providers」の2種類。オラクル自身がサービスとして提供するのではないようです。
Text、Spreadsheet、Presentation
オラクルも含めてOracle Cloud Officeをサービスとして提供している事業者はまだいないため(もしかしたらオラクル社内では使われているのかもしれませんが)、実際の機能を試すことは現状ではできません。オラクルが簡単な紹介ビデオを公開しているので、そこから画面を紹介していきましょう。
起動時の画面。
並んでいるアイコンは、左上から「Text」「Spreadsheet」「Presentation」「File Manager」。右の列は「Email」「Calendar & Tasks」「Address Book」「Workspace」となっています。ただし「Email」から「Address Book」までは文字が薄くなっているので、まだ未対応のように見えます。
「Text」の画面。上のタブには「Insert」「Format」「Table」「Pictures」とありますので、基本的なレイアウト機能は用意されているようです。
「Spreadsheet」の画面。上のタブは「Format」「Formula」「Table」とあります。
「Presentation」の画面。上のタブは「Slides」「Web Presentation」の2つ。プレゼンテーションを作成したり編集する機能はないように見えます。プレゼンテーションにポストイット的なメモを貼り付ける機能があるようですので、共有して意見を書く、ということに使うのかもしれません。
Webブラウザ上で利用可能なオフィスは、グーグルのGoogle Docsのほかに、マイクロソフトも企業向けSaaSとして「Office 365」をベータ公開しており、またZOHOからも提供されています。少なくとも国内では、Webブラウザから利用するOfficeが企業に定着しているとはいえない状況ですが、モバイルデバイスが普及し、市場も賑わってくる来年以降、状況は変わっていくのでしょうか。
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