Google App EngineがSQLデータベースをサポートへ。エンタープライズ向けサービスを拡充
グーグルは5月19日(現地時間)に米サンフランシスコで開催されたイベント「Google I/O」の基調講演で、エンタープライズ向けにフォーカスした「Google App Engine for Business」を発表しました。その内容を紹介しましょう(基調講演の内容は、記事「[速報]Google I/Oで発表された4つのポイント:VP8オープンソース化/Chrome Web Store/VMwareとの協業/Google App Engine for Business」をご覧ください)。
基調講演で最後の発表者として壇上に立ったのは、グーグルのKevin Gibbs氏。App Engineがエンタープライズに受け入れられるようにするためには、いくつかのバリアを乗り越えなければならないと語ります。
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エンタープライズのクラウドに求められているのは、簡単な管理、よりよいサポートと信頼性、そしてエンタープライズのアプリケーションに不可欠な機能(リレーショナルデータベースのこと)と、予測可能な価格。
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これらエンタープライズ向けの課題を解決するために、最初から開発された「Google App Engine for Business」の発表。「セキュリティポリシーなどを管理するコンソール」「プロフェッショナルサポート」「企業向きのSLA」「SQLデータベースのサポート」「分かりやすい価格」を提供する。
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SQLデータベースのサポートにより、開発者はスケールするデータストアか、もしくは標準のSQLデータベースか、どちらを利用するか選択できるようになった。
企業向けコンソールの例。登録されているアプリケーションごとに、どのセキュリティレベルで操作できるかを見ることができる。管理者に許可を得なければ、これを勝手に変えることはできない。
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新しい価格モデルも発表する。1人1月8ドル。そして1つのアプリケーションの上限は1000ドルまで。これ以外にかかる料金はなく、非常に分かりやすい料金体系にした。
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企業向けのコンソールはすでに提供を開始しているが、サポート、SLA、料金についてはまもなく実施する予定、SQLデータベースは現在開発中だ。ロードマップについては「Introducing App Engine for Business」のページでつねに公開しているので参照してほしい。
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どんなSQLデータベースがでてくるのか
この発表の目玉はなんといってもSQLデータベースの提供でしょう。どれほどのスケーラビリティがあるのか、性能はどうなっているのかについては触れられていません。グーグルのことですから、なにか凝った仕掛をしてくるのではないかと期待したいところです。 SQLデータベースが提供されることで、Google App Engine上でビジネスアプリケーションを作ってみようという開発者も増えることでしょう。
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グーグルはこの基調講演で、Google App Engineに関するVMwareとの協業によるSpringフレームワークとの統合も発表しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
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