グーグル、Google App Engineの利用拡大に追いつけていないと告白
この数週間、Google App Engine(GAE)のデータストアは深刻な性能低下に見舞われており、しかも5月25日には45分間の障害も発生している、とグーグルはGoogle App Engine Blogにポストされたエントリ「Datastore Performance Growing Pains」で報告しています。
この原因についてグーグルは、2カ月ごとに25%増のペースでデータストアの利用が拡大していることを挙げており、これを収容するためにデータセンターの拡張やデータセンター間での移動などの対応が行われているが、まだ追いついていないとのこと。
We have put other Datastore projects on hold to dedicate more people to accelerating improvements to Datastore performance, and to our datacenter configuration. We expect the Datastore may still have a few issues for the next two weeks, as we respond to the problem. After that point you should begin to see rapid improvements in performance, back to normal levels.
私たちはほかのデータストアのプロジェクトをいったん保留にし、データストア性能の向上の早期実現とデータセンターの設定に専念させています。こうした対応をしていますが、この先2週間ほどは、データストアは引き続きいくつかの課題を残したままになるでしょう。しかしその後は、通常のレベルにまで急速に性能が改善するはずです。
そこでグーグルはデータストアのCPU利用に対する課金をいったん停止するようです。
When we are convinced we have returned Datastore performance to a level we consider acceptable, we will give you a 7-day notification on this blog before we begin charging again
データストアの性能が受容できるレベルにまで回復したと自信がもてるようになった時点で、課金を開始する7日前にはこのブログでそのことをお知らせするつもりです。
もしもクラウドに企業の実運用システムを乗せていたら、数週間続く性能の大きな低下は大きな問題でしょう(企業の実運用でなくともそうかもしれません)。グーグルはSQLへの対応や新たなSLAといったエンタープライズ向けにフォーカスした「Google App Engine for Business」を先月発表したばかりです。
この障害を乗り越えたあとで、GAEのデータストアが安定し、クラウドが企業レベルで安心して使えるものであることを時間をかけて証明しなければならないでしょう。
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