クラウド構築ソフトのEucalyptus 2.0がリリース。Windowsのプライベートクラウド構築やSANもサポート
仮想マシンをまとめて管理することで、Amazonクラウド互換のプライベートクラウドを構築できるソフトウェア「Eucalyptus」の新バージョン「Eucalyptus Enterprise Edition (EE) 2.0」が発表されました。
EucalyptusはAmazonクラウドとAPI互換のクラウドを実現するためにオープンソースとして開発されたソフトウェア。それを基に商用ソフトウェアとして販売されているのがEucalyptus Enterprise Editionです。
ゲストOSとしてWindowsをサポート
Eucalyptusには次のような機能があり、Amazon EC2に相当するようなプライベートウラウドを構築できるようになっています。
- Xen、KVM、VMware ESX/ESXi、vSphereなどの複数のハイパーバイザに対して、仮想マシンの起動や停止などを一元管理
- 仮想マシン上で起動するOSイメージも一元管理
- 管理用APIがAmazon EC2互換で、さまざまな管理ツールが利用可能。かつAmazonEC2との統合管理も容易
- Amazon EBSにあたる永続化ストレージ機能や、Amazon S3にあたるWalrusと呼ばれる機能もある
そして新バージョンのEucalyptus Enterprise Edition 2.0では次のような新機能が追加されたと発表されています。
- いままでゲストOSにLinuxのみサポートだったのが、Windows Serverもサポート
- SAN(ストレージエリアネットワーク)のサポート
- ユーザーをグループごとに分けたパーミッション管理
Eucalyptusを用いたクラウド構築は、国内でもNTTデータが「フルOSSクラウド構築ソリューション」として提供開始、クリエーションも同様にプライベートクラウド環境構築サービスを提供。また、CSKシステムズは6月末に提供するクラウド管理製品「PrimeCloud Controller」でAmazon EC2とEucalyptusの両方に対応するとしています。
今回のバージョンアップによるWindowsのサポートとSANのサポートは、Eucalyptusをエンタープライズ向けのクラウド構築に向けたソフトウェアとしてより現実的な機能を備えたものとするでしょう。