セールスフォース・ドットコム、企業向けマイクロブログ「Chatter」を無料化。フリーミアム戦略へ。Dreamforce'10
「だれにでもChatterを使ってもらいたい」。セールスフォース・ドットコムは12月7日(現地時間)、サンフランシスコでイベント「Dreamforce '10」を開催。基調講演に登場した同社CEOのマーク・ベニオフ氏は、企業向けマイクロブログのサービス「Chatter」についてこう発言。Chatterを無料化し、利用者を拡大していくことを明らかにしました。
その基調講演の内容を紹介しましょう。
Dreamforce'10 Day1 基調講演
基調講演に登場したマーク・ベニオフ氏。
いつものように「セールスフォースは10万ユーザーが利用するクラウドを、わずか1500台のデルのPCサーバで構成している」と、同社のクラウドの高い効率性を誇る。そして「偽のクラウドに気をつけろ」と、ラックをクラウドとして売ろうとしているベンダに警告(参考:「セールスフォースのサーバは全部で3000台」「間違ったクラウドには気をつけろ!」とベニオフ氏)。
ソーシャルネットワーキングとモバイルデバイスの普及によってインターネットの使い方が大きく変化し、クラウドも新しい時代「Cloud2」に入ったのだと。
誰でもChatterが使える、無料版の発表
Chatterも新しい機能により強化されている。タイムラインをフィルタによって必要な情報だけを表示する機能。この画面では左側の「Contacts」フィルタが選択され、関連する情報だけがタイムラインに表示されている。
OutlookやGmailとも連係し、メールを送ったというアクティビティがタイムラインに表れるようになった。また、管理職ならダッシュボードとの連係も可能になった。
モバイルデバイスのためのネイティブアプリケーションも無料で提供する。iPhone/iPad、BlackBerry用は公開中。Android用は2011年の第1四半期にリリース予定。
Chatterは私たちの製品の中でもっとも成功した製品となった。
そのおかげで私は毎日、多くの人から「どうやったらChatterを導入できるのか?」と聞かれる。そこで今日「Chatter Free」を発表する。
Chtter Freeは、すでにChatterを利用しているユーザーが、社内の誰でも、Salesforceユーザーでなくとも招待し、Chatterユーザーにできる。Chatterを無料でバイラルに広げていける。
さらに、来年2011年2月には「Chatter.com」というサービスも開始する。これはプライベートなChatterが誰でも無料で使えるようになるサービス。
私たちは、誰にでもChatterを使ってもらいたいと考えている。
クラウドデータベース「Database.com」の発表
アプリケーションごとにデータベースを用意するのは古いモデルだ。データベースがクラウド化し、マルチテナントに対応するのがクラウド時代のデータベースである。
私たちは最大のクラウドデータベースを作り上げてきた。昨年は10ビリオンレコードもデータが増えているのだ。しかもそこには私たちのCRMで定義したのではなく、顧客が定義したカスタムテーブルのデータも含んでいる。
そして、次世代のアプリケーションに対応するために、データベースも進化する。「Database.com」を発表する。
(Database.comの詳細については、次の記事「セールスフォース、無料で使えるクラウドデータベース「Database.com」を発表。Dreamforce '10」で紹介します)。
明日の基調講演では、2つのクラウドサービスを発表する予定だ。
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