Cassandra、Hadoopを用い、ソーシャル機能も備えた業務アプリケーション基盤、NTTデータイントラマートが開発を発表
業務アプリケーションによるソーシャル機能の取り込み、NoSQLによるスケーラブルなデータベース、Hadoopによる分散データ処理。これらはエンタープライズITの新たなテクノロジートレンドですが、これらをすべて取り入れた業務アプリケーション用のプラットフォームを、NTTデータイントラマートが開発中であることを明らかにしました。
NTTデータイントラマートが先週10月22日に行った同社のイベント「intra-mart Enterprise Web Solution 2010」で、同社が開発中の業務アプリケーションフレームワーク「intra-mart WebPlatform Ver8.0」のデモンストレーションを公開。そこには、Twitterライクなタイムライン、NoSQLデータベースCassandraの採用、Hadoopによるデータ処理などが含まれていました。
Twitterライクな機能はCassandraがバックエンド
開発中の同製品の機能の特徴の1つは、IMBOX(仮称)と呼ばれる、Twitterライクなタイムラインを備えることです。従業員同士のつぶやきを表示するほか、アプリケーションからの知らせなどもタイムラインに表示できます。関連する社員によるグループを作成することなども可能。
IMBOXはモバイルデバイスへも対応。イベントではNTTドコモから発売予定のGalaxy Tabによるデモが行われました。
IMBOXのバックエンドとしてはNoSQLのCassandraを採用し、ソーシャルなアプリケーションに求められる高速なデータ管理を実現しているとのことです。
上の図にもあるように、データ分析エンジンとしてはHadoopを採用。JobDesigner画面が用意され、jarファイルとしてあらかじめ定義しておいたHadoopのJobを呼び出して実行することが可能で、画面上にはMap処理やReduce処理の進行状況もリアルタイムに表示されるなど、Hadoopを簡単にデータ分析エンジンとして利用できる機能を備えています。
同製品はERPと接続して利用する事例も多いとのことで、販売データやマーケティングデータを取り込んでHadoopで分析、といったアプリケーションの開発が可能になると予想されます。
同製品はこのほかにも、ワークフロー、ポータル、BPM、帳票印刷など業務アプリケーションの構築に必要な機能を備え、さらにマルチテナントアーキテクチャを内包して、クラウド上に展開することでSaaSプラットフォームとして利用可能です。
来年度後半にリリース予定
同製品はこれまでも国産JavaフレームワークのSeasar2を採用し、アプリケーションサーバとしてはオープンソースのResinを採用するなど、積極的にオープンソースの採用を進めてきました。
国内で本格的に業務アプリケーションの基盤としてCassandraやHadoopを採用した例は初めてでしょう。と同時に、Twitterのようなタイムラインの採用も初めてではないかと思われます。
同製品は現在開発中で、来年度後半にリリース予定とのこと。
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