ARMサーバの登場は近い。マイクロソフト、グーグルも参入か?
いまクラウドを構成しているサーバのほとんどすべてはIAサーバです。しかし、より低消費電力かつ電力効率の高いサーバを求めて、組み込みなどの用途に使われているARMプロセッサをサーバ用途に使おうという動きが目立ってきました。
低発熱で高密度実装可能なARMサーバ
EE Times Japanの5月6日付けの記事「ARMプロセッサ搭載サーバーが、英ARM社のウェブ・サイトで稼働中」では、表題のとおりARMが自社用Webサイト用にARMプロセッサを搭載したWebサーバを、実用化のための試験としてすでに9カ月も稼働させていると報じています。
ARMサーバは低消費電力、低発熱を特徴としているため、IAサーバよりもずっと高密度でサーバを運用することが可能。
しかしIAプロセッサよりも性能面で劣るARMをサーバ用途に使うことは適切なのでしょうか? Amazonクラウドの上級エンジニアであるJames Hamilton氏は、昨年12月にARMサーバへの期待をブログで表明しています。
上記の記事からHamilton氏の主張を引用しましょう。
高価で高性能なサーバを仮想化によって分割して利用するよりも、安価で低性能なサーバをスケールアウトしたほうが、仮想化によるI/Oのオーバーヘッドが不要で、しかも価格性能比でも熱性能比でも優れている
EE Times Japanの記事によると、12カ月以内にARMサーバが市場に登場し、Amazonクラウドは有力な売り込み先の1つだろうと報じています。
マイクロソフトもグーグルも取り組み始めた?
マイクロソフトやグーグルもARMサーバに注目しているようです。同じくEE Times Japanの4月22日付けの記事「マイクロソフトがARMプロセッサ搭載サーバーを開発か、求人広告が暗示」では、マイクロソフトが「Bing Autopilot Hardware」開発チームで勤務するエンジニアを募集しており、それはARMサーバに関する仕事ではないかとの予想記事を掲載しています。
また、グーグルはアップルの「Apple A4」プロセッサの設計に携わったエンジニアたちで構成されたプロセッサ設計企業「Agnilux」を買収したのは、ARMサーバの開発を目的としているのではないか、とも予想されています(「iPad開発チームが参加するAgnilux社をグーグルが買収、ARM採用サーバーの開発が目的か」EE Times Japan 4月23日)。
巨大なデータセンターの最大のコストは建設費ではなく電気代だといわれています。クラウドベンダにとってARMサーバは、その電気代の削減のために期待している重要な技術の1つなのでしょう。
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