Amazonがシンガポールにデータセンター開設、レイテンシは短くなった?
Amazonクラウドは以前から「アジアに2つのデータセンターを開設する」としており、その1つ目のデータセンターが4月28日にシンガポールに開設されました。
「Amazon Web Services Blog」にポストされたエントリ「Now Open: AWS Region in Asia Pacific」によると、アベイラビリティゾーンは2つで、利用可能なサービスは以下の通り。
- Amazon EC2
- Amazon S3
- Amazon SimpleDB
- Amazon Relational Database Service
- Amazon Simple Queue Service
- Amazon Simple Notification Service
- Amazon CloudFront
- Amazon DevPay
また、価格表によると6月までインバウンドのデータ転送は無料。アウトバウンドも1カ月あたり1GBまで無料となっています。開設キャンペーンといったところでしょうか。
レイテンシはまちまち?
さっそくいくつかのブログでシンガポールデータセンターに対するレイテンシの計測が行われています。
ブログ「klog」のエントリ「Amazon Web Services シンガポールのデータセンターが利用可能に」では以下の報告。
結果は平均で81ms。西海岸がおおよそ130〜150msくらいなので半分くらいになってます。
一方で、ブログ「RX-7乗りの適当な日々」のエントリ「Amazon EC2/S3/他がアジア(シンガポール)で利用可能になったのでレイテンシを計測してみた」では以下の報告。
私としても、少し予想外の結果ですが、RTTの平均値は194msecと、意外とかかっている感じで、これはus-eastと同等の数値です。(ntt.net網内経由)
「とあるはてな社員の日記」のエントリ「 シンガポールにAWSがやってきたのでレイテンシを計測してみた」では、以下の報告。
結果は、シンガポールまで79.9msecでした。従来、一番近かったUS westも計測したところ、116.7msecだったので、レイテンシが2/3に短縮されたようです。都内のサーバへのping(100回) で計測。都内間だと2,3msなので、だいぶ近くなったとは言え、まだまだ遠いですね。
また、@kimotuki氏は「自分は100msecで通信できました。」とつぶやいています。
シンガポールへの経路のせいなのか、レイテンシはまちまちのようです。(とあるはてな社員の日記の方も書いておられましたが)エンドユーザー向けのサービスをシンガポールのデータセンターに置いた場合、利用者によっては地理的な恩恵を受けられない可能性がありますね。
(追記 4/30: pingによるレイテンシは指標の1つであり、Webサイトなどの速度はスループットも重要なため、実際の利用者の体感速度はWebサイトを立ててyslowなどで計測する方が適切ではないか、というAmazonクラウド エバンジェリストのJefff Barr氏からのアドバイスが、AWS-UG開設準備室のメーリングリストに投稿されています)
次はもっと早くなる!
さて、Amazonクラウドはもう1カ所アジア太平洋地域にデータセンターを開設することを約束しています。Amazonクラウドの日本法人であるAmazon Data Services Japanの小島英揮(おじまひでき)氏はそのことに触れ、29日に「『次』はもっと早くなるはず!」とつぶやいています。
これは次のデータセンターがシンガポールよりもずっと近い場所にできることを示唆しているのでしょう。Amazon Japanはデータセンターテクニシャン、デベロッパーサポートエンジニアなどの募集を日本国内で開始しています。
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