Amazonクラウドの日本法人が活動開始。国内でのサポート、コミュニティとの連係など体制強化へ
Amazonクラウドを運営するAmazon Web Servicesの日本法人、Amazon Data Services Japanが活動を開始しました。現在、同社には社員が2人在籍し今後さらに陣容を拡大していくと、同社のマーケティングマネージャー 小島英揮(おじまひでき)氏が、昨年の12月25日に行われた「Amazon EC2ユーザ会」で明らかにしました。
マーケティングマネージャの小島氏がAmazon Data Services Japanに入社したのは昨年の12月。同社にはデータセンターを担当するもう1人の社員がおり、現在さらにテクニカルサポート、ソリューションアーキテクト、営業統括などの役割を担う社員を募集中。「われこそはと思う方は、ぜひ応募していただきたい」(小島氏)と、Amazon EC2ユーザ会に集まった約30人のユーザーたちにも呼びかけました。
小島氏によると、米国では企業ユーザーやISVがAmazonクラウド上でシステムを構築する際に、システムエンジニアやソリューションアーキテクトと呼ばれる同社のスタッフが技術的な支援を行う体制が用意されているとのこと。日本でもSIerやISVに対しての支援、ドキュメントなどの翻訳、コミュニティとの連係などの体制を構築、強化していくとの方針を説明しました。「米国本社はSIerなどが介在する日本のIT業界の構造を理解しており、日本に合った方法で展開していきたい」(小島氏)。
ちなみに、アマゾンはアジア地域のデータセンターとして今年の上半期にはシンガポール、そして下半期にはもう1カ所アジア地域のほかの場所にも拠点を設置することを明らかにしています。これが日本となるかどうかについては小島氏はコメントしませんでした。しかし、アジア地域内で現地法人を置き、人員を積極的に募集している日本は有力な候補の1つと考えられます。
今年2010年は、マイクロソフトがWindows Azureの商用サービスを1月から開始、国内ではソフトバンクテレコムが2月からホワイトクラウドを、NTTデータが4月からBizCloudを、そしてYahoo! Japanも独自にクラウドサービスを開始するなど、国内事業者を含め本格的にクラウドサービスが立ち上がる時期となります。Amazonクラウドも日本法人による体制強化で、こうした国内でのクラウド市場で企業市場に向けた本格的な立ち上げを狙うことになります。