Access 2010からODBCでクラウドのSQL Azureに接続可能。そのメリットは?
マイクロソフトのAccess 2010では、ODBCを通じてクラウド上のリレーショナルデータベースであるSQL Azureに直接接続可能だと、MS Officeチームのブログのエントリ「Access 2010 and SQL Azure」で紹介されています。
この機能を使えば、社内でSQL Serverの運用をすることなく、Access 2010から大規模なリレーショナルデータベースの機能を利用することができるようになります。
自前のSQL Serverが不要に
実際にAccess 2010から利用する方法をざっと要約すると、当然ながらSQL Azureのサービスに申し込んで利用可能にしたうえで、接続IPアドレスを設定。SQL Azure上に必要なスキーマを管理ツールで用意したら、SQL Server 2008 R2に含まれている「SQL Server Native Client 10.0」をODBCドライバとしてインストール。あとは接続時にSQL authenticationを用いて認証するなどで接続可能になるとのことです。
Accessは手軽なデータベースとして広く利用されており、データベースファイルをファイルサーバなどで共有することもできます。しかし、共有しているとまれにデータベースファイルが壊れるなどの例も報告されており、安全かつある程度の規模以上でデータベースを共有するには、やはりSQL Serverをバックエンドデータベースとして利用するのが実質的には望ましい運用でした。
しかしSQL Serverの導入は、サーバマシンの購入やバックアップなど運用にかかるコストを考えるとなかなかハードルが高いものです。これがSQL Azureを利用することで社内にサーバを立てることもバックアップの手間も不要なため、Accessでデータベースを共有するハードルが一段低くなるといってよさそうです。
データベース管理者にとっては、SQL Serverのデータメンテナンスなど管理業務をAccessから行うことでずっと便利になるという指摘もいただきました。たしかに、それもぐっと楽になりそうです。
Windows Azureが1万ユーザーを突破
SQL Azureが稼働するWindows Azureは、1万ユーザーを超えたことがブログ「All About Microsoft」のエントリ「Microsoft passes the 10,000 customer milestone with Azure」で紹介されています。
このエントリによると、ユーザーは主に4つに分類されるとのこと。
- On/off batch job computing
- quick start-up (with no need or money to build out a private data center)
- unpredictable bursting
- predictable bursting
そしてこの情報源となったWindows Azureのゼネラルマネージャ Doug Hauger氏によると、約半数のユーザーはオンプレミスの代わりにWindows Azureでアプリケーションを実行するという利用方法を選んでいるとのことです。