クラウドに移行しやすいソフトウェアの分野とは? IDCがランキング発表
米調査会社のIDCが、IT部門の管理職とその事業部門の従業員に対して「社内のどんなソフトウェアがクラウドに移行する可能性が高いか?」について問い合わせた調査結果を発表しました。
そして次のような順序で企業内のアプリケーションがクラウドへ移行していくのではないか、とう結果を発表しています。
コラボレーションツールからビジネスアプリケーション、そして個人ツールへ
上記のグラフを元に、IDCではソフトウェアがクラウドへ移行していく順序を次のように解説しています。かいつまんで見てみましょう。
Web Apps/Sites and Collaboration are already there.
WebアプリケーションやWebサイト、そしてコラボレーションツールは、すでにクラウド化されています。これは多くの人が同意し、ほとんど異論はないでしょう。
Data/Content is the next big adoption driver.
この次に起きるのは、データやコンテンツがクラウドに載ること。グラフで3番目に多かった、データのバックアップ、6番目の配信サービス、7番目のストレージなどの用途です。
Business Applications are expanding to the cloud...
そしてCRM、人事管理、ERPといったビジネスアプリケーションがクラウド上で拡大。すでにCRMもERPもクラウドベースのものがセールスフォースやネットスイートから提供されており、これから数年でこのカテゴリはさらに拡大を見せるでしょう。
...and so are Personal/Desktop Applications.
グラフの5番目にある個人向けのアプリケーションの台頭は、シンプルでコストが安く、すぐに導入できるというクラウドの特徴が、クラウドベースのアプリケーションを牽引していくことを示しています。また、クラウドにアプリケーションを依存することになるモバイルデバイスは、クラウドベースの個人向けアプリケーションをリードする存在となるでしょう。
IT Infrastructure offering results reflect earlier stage of maturity
ITマネジメントやサーバキャパシティサービスは8位、9位と低いランクに抑えられています。IDCとしては、これはユーザーがクラウドはこの分野に向いていないと考えているのではなく、むしろまだ成熟しておらず、ユーザーにとってコラボレーションやWebホスティングほどクラウドでのこの分野が理解されていないためだと考えています。
Business Analytics, App Dev/Test and IT/Information Security - look for these to come up fast in 2010
そして最も下位に位置するのが、ビジネスアナリティクス、アプリケーション開発やテスト、そして情報セキュリティなど。しかしIDCでは今後2年でこれらがクラウドにおいてもっともホットな分野になるだろうと予想しています。この3分野はクラウドが競争力を発揮しやすい分野ですが、まだクラウドでの実例がほとんどないことが調査結果の下位となった理由ではないでしょうか。
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