60秒で設定が終わるChromeノートブック、HTML5のオフラインに対応するGoogle Docs。グーグル、Chrome Eventで発表
グーグルは12月7日、同社のWebブラウザであるChromeに関するイベントを開催、Chromeの最新動向、そしてChrome Web StoreとChrome OSの発表を行いました。
この記事は「Chromeの最新JavaScriptエンジン「Crankshaft」、「Chrome Sync」であらゆるChromeを同期、グーグルが発表。Chrome Event」の続きです。
イベントの内容を紹介していきましょう。
Chromeノートブックの発表
Chrome OSについて。引き続きグーグル、Vice President of Product ManagementのSundar Pichai氏。
なぜグーグルはChrome OSを始めたのか。多くのユーザーがPCで利用しているのはWebブラウザなのに、そのPCのシステムは非常に複雑だ。
そこでChromeをできるだけダイレクトにハードウェア上に走るようにすることでシンプル、安全、セキュアな環境が作れると考えた。
Chrome OSの紹介をする前に、まずWindows上で動いている、このChromeの画面を見ておいていただきたい。壁紙が設定され、ブックマークがあり、すでにいくつかのアプリケーションもインストールされている。
では、Chromeノートブックを起動しよう。新しいChromeノートブックを購入した普通のユーザーが経験するように、いまここでまったく新しいマシンを立ち上げる。
言語やネットワーク接続を設定する。
そしてグーグルアカウントでサインイン。
パーソナライズのための自分のピクチャを設定して(笑) これでOSが完全に立ち上がり、Chromeの画面がでた。どうだろう、Chrome Syncで同期し、さっきのWindowsのChromeと同じ壁紙、ブックマーク、アプリケーションが見えるだろう。すぐ使えるようになっている。まったく新しいマシンのスイッチを入れてから60秒以内でこれが終了するのだ! (会場から拍手)
(新野注:サインイン後、5秒以内でこのデスクトップが表示されていた。非常に速いと感じる)
ブートはインスタントブートで非常に高速で、マシンが立ち上がるのを待つことなどなくなる。スタンドバイモードからのレジュームも超高速で、すぐにネットに接続状態になり、キーボードで操作可能になる。
さきほどのWindows上のChromeとChromeノートブックはつねに同期しており、片方でアプリケーションを削除すれば、もう片方でもすぐに同じ状態になる。Windows、Mac、Chromeノートブック、どれでも同じユーザー体験が得られる。
またChromeノートブックでは複数のユーザーで共有もできる。ゲストモードもある。
HTML5のオフラインに対応するGoogle Docs
Google Docsを使ってみよう。非常に便利だ。
ところで、オフラインのときはどうなるのだろうか? 問題ない。Google Docsはオフラインにも対応し、まったくそのまま作業を続けることができる。ゲームでもそう、オフラインでも遊べる。HTML5にはオフライン機能があり、それを使うのだ。ニューヨークタイムスも読める。
(新野注:Google DocsはGoogle Gearsによるオフライン機能に対応していましたが、Google Gearsの終了に伴いオフライン機能も停止しました。2011年の早い時期に、HTML5によるオフライン機能を実現すると今回発表されました)
では、気に入ったレストランのレシピを見つけて印刷したいときは? プリンタドライバはいらない。Google Cloud Printで、ネットワークにつながったプリンタから印刷できるのだ。Google Cloud Printは現在ベータである。
Chrom OSは最初からセキュリティを考慮して設計した
Chrome OSはセキュリティとスピードにとてもフォーカスして開発した。
多くのOSのセキュリティは後付けであり、自分でセキュリティアップデートをしなくてはいけないし、ブラウザ、アプリケーション、OSなど、ソフトウェアごとにそれぞれアップデートしなければいけない。これらを全部やらないとセキュアにならない。
Chrome OSはOSのレベルでサンドボックスを内蔵しており、デフォルトでセキュリティを内蔵したまったく新たな構造になっている。
そして、コンシューマ向けのOSとして初めて「ベリファイブート」搭載している。あらゆるソフトウェアがOSを変更することができないようになっている仕組みだ。つねに安全な状態でOSが起動する。
Chrome OSはこうした機能の組み合わせで、非常にセキュアなシステムになっている。
これによりビジネスの場面での運用コストも非常に下げることができ、企業のCIOにとって有用なマシンになるはずだ。
CitrixはCitrix RecieverをChrome OSに対応させる。これにより、仮想デスクトップ機能を利用してリモートサーバで実行したWindowsアプリケーションをChromeノートブックから利用することもできる。
Chromeノートブックはこれらのベンダから提供される予定だ。さらにOEMも増える予定だ。
パイロットプログラムとしてCr-48を提供する。以下のような仕様になっている。
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Chrome OSの内部構造やベリファイブートなどについては、1年前の発表時の記事に解説されています。
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