さくらインターネット、クラウド用データセンターを北海道石狩市に建設。規模はいまの全さくらデータセンター合計の約2倍

2010年6月21日

1年以内にクラウドへ参入する、先月行われた決算発表でこのことを発表したばかりのさくらインターネットは、今日、クラウド用データセンターを北海道石狩市に建設することを発表しました

北海道石狩市は、昨年の記事「北海道石狩市で雪冷データセンターの実証実験、来年実施へ」で紹介したように第三セクターの石狩開発株式会社などを立ち上げ、積極的なデータセンターの誘致活動を行ってきました。その誘致活動が実を結んだ形となりました。

fig さくらインターネット 石狩データセンター(仮)の完成イメージ

ただし、石狩市のデータセンターの1期棟が竣工するのは2011年秋の予定となっています。さくらインターネットが「1年以内」にクラウドに参入することを守るとすれば、このデータセンターの竣工を待たず、来年の春までには何らかのクラウドサービスを立ち上げることになると予想されます。

外気冷房を全面的に導入

石狩市に建設予定のデータセンターの規模は、最初に竣工する1期棟で500ラック。1ラックに160台のサーバを搭載した場合、最大で8万サーバの規模になります。データセンターの敷地面積としては最大8棟、4000ラックまで建設可能とのこと。

ちなみに、現時点でのさくらインターネットが運営する東京に4カ所、大阪に2カ所のデータセンターの全ラック数が合計で2220ラックとされているため、石狩データセンターの全棟が完成すれば同社はこれまでの約2倍のラック容量を実現可能となります。

データセンターの冷却には、寒冷な北海道の気候を活かして外気冷房を全面的に導入し、低PUE値、低環境負荷を実現。さらに石狩市では風力や雪氷などの自然エネルギーを利用できる可能性があり、将来のデータセンター拡張の際には、さらなる環境性能の向上を目指して、自然エネルギーの検討を行うとしています。

なんちゃってクラウドみたいなのはやりたくない

さくらインターネットのクラウドがどのようなものになるのか。先月の記事「さくらインターネットもクラウド参入を表明。Amazon EC2に対抗」でも引用した今年1月のCNET Japanの記事から、田中邦裕社長のインタビューをもういちど引用しましょう。

クラウドサービスはぜひやりたいです。ただ、なんちゃってクラウドみたいなものはやりたくないんです。だったら、安い専用サーバを突き詰める方がよいと思っているので。

イメージしているのは、ネットワークとCPUノード、ストレージが仮想化できて、そのネットワーク内にデータベースだけのインスタンスを貸しだすという感じです。

そういうサービスを今年から来年にかけて出していけたらいいと思っています。それができれば、おそらくAmazon EC2に対抗できる日本で初めてのサービスになると思っています。

記事「“本物”のクラウドサービス展開を視野に低コスト構造を堅持--さくらインターネット田中社長 VS.ネット事業者:コラム - page3 - CNET Japan」から引用

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Junichi Niino(jniino)
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