231位じゃだめですか? Amazonクラウドが1兆FLOPSを超えるスーパーコンピュータ並の「クラスターGPUインスタンス」を提供。1時間たったの172円
個人でもスーパーコンピュータの性能でトップ500に入るマシンを借りることができる時代になりました。しかも1時間あたりわずか172円。
Amazonクラウドは、ハイパフォーマンスコンピューティング(超高速計算)のために提供してきた「クラスターコンピュートインスタンス」に、グラフィックスカードに搭載されているGPUの能力を一般的な計算処理に使う「GPGPU(General Purpose GPU)」の機能を備えた「クラスターGPUインスタンス」の提供を開始したと発表しました。
1兆FLOPSを上回る性能
クラスターコンピュートインスタンスは、2.95GHzのXeon X5570(4コア)を2基と23GBのメモリを搭載したサーバを10ギガビットイーサネットで接続したクラスタです。そして、今回発表されたクラスターGPUインスタンスは、この構成のサーバに2基のNVIDIA Tesla M2050 GPUを載せたもののクラスタとなります。
GPUは、ベクトル型の処理ではCPUの数十倍以上の処理能力を発揮するとされており、流体計算や気象のシミュレーション、暗号解読、音声やビデオなどの波形処理など、高速な並列処理を得意としています。
Amazonクラウドのブログでは、その能力を次のように紹介しています。
個々のTesla M2050は448コア、3GBのECC RAMを含み、倍精度浮動小数点演算で515gigaflopsまで可能です。1つのインスタンスが2つのプロセッサを含むので、クラスターGPUインスタンスあたり1兆FLOPSを上回るパフォーマンスを発揮します。
そして料金は1時間あたり2ドル(1ドル86円換算で1時間あたり172円)。
スーパーコンビュータのランキング231位
AmazonクラウドのJames Hamilton氏は、自身のブログでクラスターコンピュートインスタンスが、「Top 500 Super Computer Sites」の11月付けランキングで、231位に正式ランクインしたことを明らかにしています。トップ500の上位半分に入るという驚異的な性能です。
しかもこれはGPUを使わない方のクラスターコンピュートインスタンスのランキングです。今回発表されたGPUを含むクラスタは、ランキングされるとすれば数カ月後になるはず。おそらくもっと上位になるのでしょう。この能力のコンピュータが、誰でも低価格で利用できるようになるのですから、すごいことだと思わざるを得ません。
ちなみに今回のTop 500 Super Computer Sitesでは、はじめて中国のマシンが1位になったことが話題になっています。