2010年、世界のIT市場は4.6%成長でも日本はマイナス1.2%の見通し。本格回復は2013年度から。ガートナー
米調査会社のガートナーは先月1月21日、ワールドワイドのIT市場は4.6%の成長の見通しと発表しました。世界的な景気低迷の中で新興国が成長をリードするとのこと。
一方、ガートナージャパンは2月3日、日本国内のIT市場は2009年に続き2010年も縮小、マイナス1.2%の成長で、本格回復は2013年度からになるだろうとの予想を明らかにしました。
ワールドワイドでは新興国が牽引
米ガートナーは、プレスリリース「Gartner Says Worldwide IT Spending To Grow 4.6 Percent in 2010」の中で、2009年はマイナス4.6%の縮小だったワールドワイドのIT市場が、2010年にはちょうど逆のプラス4.6%成長になるとの予測を発表しています。その内訳は以下のようになっており、ITサービスが5.6%ともっとも大きく成長するとの見通しです。
- ハードウェア:1.6%
- ソフトウェア:4.9%
- ITサービス:5.6%
- テレコム:4.7%
また成長をリードするのは新興国で、ラテンアメリカが9.3%、中東とアフリカが7.7%、アジアパシフィックが7%などの成長と予想される一方で、西ヨーロッパが5.2%、米国2.5%、日本は1.8%とゆっくりとした回復となるとされています。
日本はマイナス成長、本格復活は2013年度から
米ガートナーが、日本は1.8%程度のゆっくりした成長と書いているのに対し、ガートナージャパンではもっと厳しい予想を明らかにしています。同社のWebサイトに掲載された「日本のIT市場予測:2009年度に引き続き2010年度も縮小、本格回復は2013年度に」では、日本企業のIT投資意欲は依然として低く、2010年度(2009年4月から翌年3月まで)はマイナス1.2%と、2009年に続いて縮小すると予想しています。
この予想は、同社によるユーザー企業側の投資意欲調査と、ベンダー側における出荷ベースの売り上げ調査結果をベースに、日本に拠点を置く法人のIT予算額 (IT Spending) の総額 (日本のIT市場規模) を推計したもの。
海外と比べると日本のIT市場の成長は著しく立ち後れているようです。本格回復について次のように予想されています。
仮に2010年度に経済成長率が1%半ばまで回復し、2011年度以降に2%台まで回復するとしても、日本のIT市場規模が前年度比で2%以上の成長を開始するのは2013年度以降であるとみている。
あと数年はこの状況を覚悟しなければならないというのは、厳しい話ですね。ソフトウェア市場で、成長する海外への輸出でこの状況を切り抜ける、という企業が現れることを期待したいです。