今年2010年が「日本のクラウド元年だ!」 とプレゼンするための資料を集めてみた
2010年は、主要ベンダが相次いでクラウドへと戦略の転換を示してきた1年でした。ちょうど今週末にNTTデータイントラマートのイベントで講演するための資料として、主要なベンダのそうした発表についてまとめてみたので、ここで読者のみなさんともシェアしたいと思います。
「2010年はクラウド元年であった」というプレゼンのつかみとして使えるネタだと思うので、参考にしてみてください。
今年に入ってから発表された、クラウドに関する主要各社の取り組み
主なニュースを日付順に並べました。
「クラウドの最強集団を作る」――日本IBM、社長直轄の専門組織を設立 / ITmediaエンタープライズ 2010年1月14日
「2009年から(社内で実施してきたクラウドコンピューティング関連)の教育レベルをさらに上げ、クラウドビジネスの最強集団を作る」
日本アイ・ビー・エム(日本IBM) クラウド・コンピューティング事業 吉崎敏文執行役員は、1月14日に開かれた記者発表会でこう意気込んだ。日本IBMは1月にクラウドコンピューティング関連の事業やサービスをまとめる統括組織を設立。同社が数十年磨きを掛けてきた仮想化や自動化の技術を軸にしたシステム構築やSaaS(サービスとしてのソフトウェア)の提供など、インフラからアプリケーションまでを含むクラウド型サービスを国内企業に提案する体制を整えた。
「3年後に売上高1000億円を目指す」、NTTデータがクラウド戦略を発表 / ITpro 2010年1月22日
NTTデータは2010年1月22日、今年4月に開始予定のクラウド関連サービス「BizCloud」についてサービスの詳細を発表した。サービス内容は大きく2種類。一つはNTTデータが保有するIT資産をサービスとして提供する「クラウドプラットフォームサービス」。もう一つは、共通のシステム部品を組み合わせてデータセンター環境を構築する「クラウド構築・運用サービス」である。山田伸一代表取締役常務執行役員は「現在、地方銀行の共同センターなどで数百億円の売り上げがある。これらも含めて、クラウド関連サービスを3年後には約3倍の1000億円規模にまで拡大させたい」とした。
日立、2015年にクラウド売上高5000億円へ--社会インフラ基盤目指す / CNET Japan 2010年5月27日
日立製作所は5月27日、クラウド事業の戦略説明会を開催した。6月にはクラウド事業統括本部を新設。グループ会社の専門家も集約し、クラウド関連で2012年に2000億円、2015年に5000億円を売り上げる考えを示した。2010年3月期の売上高が1兆7055億円であることを考えると、クラウド事業で3分の1を稼ごうという意気込みだ。
また、一般的な“文房具型クラウド”と一線を画したサービスに重きを置き、同社のクラウドソリューション「Harmonious Cloud」では、特にミッションクリティカルシステムと同等の信頼性を提供したい考えだ。
“クラウドに全力投球” マイクロソフトの2011年度経営方針 / ITmediaエンタープライズ 2010年7月6日
マイクロソフトは7月6日、2011年度(2010年7月1日~2011年6月30日)の経営方針説明会を都内で開催した。クラウドビジネスに全社を挙げて注力していく方針を明らかにした。
(略)
7月には100人規模のクラウドビジネス専任の部隊を新設した。樋口氏は、現在約350社のクラウド関連パートナー企業を2011年度中に1000 社へ、3年後には7000社規模に増やす方針も提示した。また、販売施策ではWindows Azureのボリュームライセンスやホスティングサービス「Business Productivity Online Standard Suite(BPOS)」の新バージョン、Dynamics CRM OnlineおよびオンラインIT管理サービス「Windows Intune」の提供も計画している。これらの取り組みにより、2011年度はクラウドビジネスの規模をオンプレミス型製品のビジネスと同程度に拡大させる考えだ。
富士通、クラウド関連で10年度に1000億円投資 / ロイター 2010年7月9日
富士通は9日、2010年度にクラウド・コンピューティング関連に1000億円を投資することなどを柱とした経営方針を発表した。
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10年度のクラウド関連投資は09年度実績(約650億円)から5割強増やす。同事業の要員として11年度末までに5000人を育成するとともに、世界的な事業拡大に向け10年度中に日本と同品質の設備を英国、オーストラリア、シンガポール、ドイツ、米国の海外5拠点に構築。中国南部にもデータセンターを11年度中に稼働させる。また、クラウド事業の基盤構築で次世代スーパーコンピューターの投資は継続する。
セールスフォース・ドットコムが東京データセンター開設を発表、NTTコミュニケーションズと契約。Cloudforce 2010 Japan / Publickey 2010年10月5日
セールスフォース・ドットコムは今日10月5日、都内で開催されている同社のイベント「Cloudforce 2010 Japan」の基調講演で、東京データセンターの開設を公式に発表しました。データセンターはNTTコミュニケーションズの施設を利用し、2011年中に稼動予定。
同社CEOのマーク・ベニオフ氏は「私たちは日本に強くコミットしている」と、データセンターの開設が日本市場へのコミットメントであることを強調しました。
NECのITサービス事業戦略、成長のカギは「クラウド」と「グローバル」 / CNET Japan 2010年10月13日
NECは10月13日、同社におけるSIおよびクラウドサービスなどの「ITサービス事業」に関する取り組みについて説明を行った。
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クラウドサービス事業は2012年度には1100億円の事業規模になる。さらに、サービスおよびグローバル事業の立ち上げに向けて1000億円の投資を予定している」などとした。1000億円の投資のなかには、データセンターのファシリティ投資、 SaaSへの開発投資、CODC事業におけるジョイントベンチャーの設立費用、M&Aなどを含んでいるという。
このほかにも、ニフティ、さくらインターネットがクラウド参入。日経BPと技術評論社からはクラウド専門誌が創刊されています。
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