2000年のドットコムバブルを除けば、シリコンバレーは堅実に成長している
米国の労働統計局が、シリコンバレーの過去約10年の雇用や給与、投資額などを振り返る資料「Crash and reboot: Silicon Valley high-tech employment and wages, 2000-08」(PDF)を公開しています。
この資料の中に1995年から2008年までのベンチャー投資額を示すグラフがあるのですが、ドットコムバブルの頂点だった西暦2000年にはベンチャー投資が異常なほど上昇していたことがよく分かります。一方で、2003年を底にしてふたたびベンチャー投資が堅調に戻ってきていることも読み取れます。
名目賃金は2000年を上回る
このドットコムバブルの頂点だった西暦2000年と比較して、現在のシリコンバレーの給与水準は名目では上回ったものの、インフレを考慮した実質水準だとまだ、という分析記事が、ウォールストリートジャーナルのブログ「Silicon Valley Tech Workers Earning Less Than in 2000」に掲載されています。
この記事も米国労働統計局のレポートを基にしていますが、2000年当時のシリコンバレーのハイテク企業で働く人たちの給与水準は12万100ドル。これに対し2009年は13万700ドルになっており、名目ではドットコムバブルの頂点だった2000年を上回ったそうです。
ただしインフレを考慮した実質賃金を計算すると10万5500ドルで、2000年当時より12.2%下回る水準とのこと。
しかし労働統計局のエコノミスト Amar Mann氏は、2000年のドットコムバブルが異常だっただけで、2000年さえ除けば、シリコンバレーの労働者にとっては過去5年、10年、20年と比べて裕福になっており、賃金もゆっくりだが堅調な成長を迎えていると語っているそうです。
たしかに2000年のベンチャー投資額を見ると、あの前後数年は明らかに加熱しすぎだったのでしょう。
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