クラウドのブランドランキング、1位グーグル、2位セールスフォース、3位IBM。日経コン調べ
日経コンピュータの9月29日号の特集は「最強のクラウドはこれだ!」。1万2632人を対象に調査したクラウドベンダの企業イメージを、ランキングで発表しています。
気になるその結果は、グーグルとセールスフォース・ドットコムがわずか0.2ポイント差の接戦で1位と2位を獲得。
3位が日本IBM、4位がマイクロソフトで、あれ? アマゾンは?と見てみると、アマゾンは5位富士通、6位ヴイエムウェア、7位日立製作所よりも下、9位にランキングされるという意外な結果となっています。
紙面には18ページにわたってさまざまな切り口のランキングと分析が掲載されているのですが、ここではブランドイメージ調査の総合結果のベストテンを紙面から引用します。
意外性のあるヴイエムウェアとアマゾンの順位
1位のグーグルと2位のセールスフォース・ドットコムを比べてみると、認知度ではセールスフォース・ドットコムが優位、一方で技術力はグーグルが優位で、これらは順当と思うのですが、一方でセールスフォース・ドットコムの提案力はベストテンの中で下から2番目。同社はSFAの会社らしくテレマーケティングをはじめ顧客へのコンタクトを非常に積極的にやっている印象のため、この評価は不思議な気がしました。
3位の日本IBMと4位のマイクロソフトを比べてみると、認知度こそマイクロソフトの方が高いものの、信頼性、技術力、実績、提案力では日本IBMが上回っているという評価。これは日本IBMとマイクロソフトの企業イメージがクラウドベンダとしての印象にストレートに反映されてしまったという感じでしょうか。
5位の富士通に続いて6位にヴイエムウェアが入ってきたのは意外でした。認知度では5位ですが、技術力ではなんとグーグルに続いて2位の評価。実績でもセールスフォース・ドットコムに続いて2位。プライベートクラウドのベンダとしての評価が高いということで、同社の仮想化ベンダからクラウドベンダへの転換は成功していると言っていいようです。
そしてさらに意外なのが第9位のアマゾン。認知度がなんとベストテンの下から2番目(最下位がNTTコミュニケーションズ)、信頼性はベストテンの下から3番目。実績はセールスフォース・ドットコム、ヴイエムウェア、グーグルに続いての4位。技術者のあいだではクラウドベンダとしてのアマゾンの認知度、実績、信頼性ともに低いことはないだろうとかばいたくなるほどですが、紙面によると、経営層・経営企画部門でのイメージ評価の上位20社にも入らなかったとのこと。アマゾンはクラウドベンダとして技術者層には有名でも、経営層には無名だということですね。
一方で5位富士通、7位日立製作所、8位NECと日本の大手ベンダがちゃんとベストテンに名前を連ねていることで、これら大手ベンダがクラウドベンダとしてもあなどれない存在だということが浮き彫りになっているようです。
いずれにせよ、これだけ大規模なクラウドベンダのブランド調査は日経コンピュータならではのもの。今頃は各ベンダのマーケティング担当の方々がこのランキングを分析しつつ、これからのプランを練っているところでしょう。
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