ストレージベンダ、次に買収されそうな候補トップ10
8月から9月にかけて、ストレージベンダの3PARの買収を巡ってデルとヒューレット・パッカードが何度も買収価格を吊り上げていきました。最終的に3PARはヒューレット・パッカードによって買収されることが発表され、決着がつきましたが、買収価格は当初デルが発表した1株あたり18ドルから、ヒューレット・パッカードが最終的に提示した1株あたり33ドルに高騰しました(参考:[速報]デルの3PAR買収に「待った! 1.3倍で俺が買う」とヒューレット・パッカード)。
これはシステムベンダがストレージベンダやネットワークベンダを買収し、サーバ、ストレージ、ネットワークの垂直統合を実現することの重要性を示すことになりました。
アイシロン、シトリックスの名前も
そんな中、「Top 10 Storage Acquisition Targets」(買収のターゲットとなるストレージベンダのトップ10)という記事を掲載したのはEnterpriseStorageForum.com。その記事に掲載されている10社をリストアップしてみましょう。
1位: Pillar Data Systems
2位: Compellent Technologies
3位: CommVault
4位: Xiotech
5位: Isillon Systems
6位: DataDirect Networks
7位: InMage
8位: Permmabit Technology
9位: Citrix Systems
10位: R1Soft
1位のPillar Data Systemsは、SANとNASと1つの筐体で提供する統合ストレージを提供するベンダ。日本では日商エレクトロニクスとの協業で国内販売を行っているようです。
記事によると、ストレージ仮想化機能を備えており、3PARのポジションに近いが、オラクル CEOのラリー・エリソン氏が株式の80%を保有している点は買収のハードルだろうと解説されています。
2位のCompellent Technologiesは、モジュラー構造によって2TBから500TB以上にまで拡大するスケーラブルなストレージシステムを提供。独自の階層化技術も備えているようです。システム内の仮想化機能が非常に魅力的だと解説されています。
3位のCommVaultは、データのアーカイブ、レプリケーション、バックアップ&リカバリなどのデータマネジメントツールの企業。日本ではシー・エル・シーが扱っているようです。記事ではこの分野で最後に残った1社だと解説されています。
4位のXiotechは、ストレージ、バッテリー、電源、冷却装置をまとめたブレード型のインテリジェントなストレージユニットと、自己修復機能やレプリケーション機能などによる対障害機能などを提供。記事では「魅力的な基本技術」と評されています。
5位のIsilon Systemsは、アイシロン・システムズとして国内展開もしているストレージベンダ。モジュールを追加することで容量や性能が増加していくスケールアウトストレージが最大の特徴。
6位以下を見ていくと、デスクトップ仮想化ベンダとして知られるシトリックス・システムズが9位に入っています。記事によると、この分野の独立したプレイヤーとしてクラウドコンピューティング時代には買収候補となる可能性が高くなるだろう、とのことでした。デスクトップ仮想化まで含めた垂直統合もシステムベンダーは視野に入れている、ということなのでしょう。
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