Windows AzureがRuby on Railsに対応。次々とオープンソースを取り込むWindows Azure
Windows AzureがRuby on Railsに対応したことが、米ZDNetでマイクロソフトの最新動向を伝えるブログ「All About Microsoft」で伝えられています。
情報源となったのは、マイクロソフトのエンジニアであるSimon Davies氏がブログにポストした「Running Ruby on Rails on Windows Azure」という記事です。
実際に同氏による簡単なRuby on Railsで構築したアプリケーションも公開されています。
Windows Azure対応のJava、PHP、Ruby用のSDKをリリース
マイクロソフトはWindows Azureで積極的にオープンソースの取り込みを行っています。11月に行われたPDC09では、Java、PHP、MySQLなどへの対応を表明しており、オープンソースの代表的なブログCMSのWordPressがWindows Azureで稼働していることもデモンストレーションされました。
今回のRuby on Railsは、また1つマイクロソフトがWindows Azureに追加したオープンソース環境となります。
Windows Azureのオープンソース対応を推し進めるために、マイクロソフトはAppFabricと呼ばれるフレームワークのSDKとして以下の3つもリリースしました。
- AppFabric SDK for Java Developers
- AppFabric SDK for Ruby Developers
- AppFabric SDK for PHP Developers
このようにマイクロソフトはWindows Azureで非常に積極的にオープンソースを自社プラットフォームに取り込む戦略をとっています。この先、さらにさまざまなオープンソース系フレームワークやアプリケーションをWindows Azureで稼働させる環境が整っていくであろうことは間違いないでしょう。
Windows Azureをあらゆるデベロッパーのプラットフォームとして
マイクロソフトのサーバ戦略で最も手薄だった部分は、WebアプリケーションのプラットフォームとしてのWindows ServerおよびWindows Azureでした。
業務アプリケーション用のサーバとして、Windows Serverの存在感は増してきている一方で、Webアプリケーションの世界では、Linux、Apache、MySQL、PHP/Perlなどのオープンソースで構成される、いわゆる「LAMP」が独占的です。
そして今後さらに、オープンソースによる言語やフレームワーク、ミドルウェアの存在感が高まることは間違いありません。
マイクロソフトはその巻き返し戦略として、Windows Azureクラウドで積極的なオープンソースの取り込み戦略を実行し、あらゆるアプリケーションのデベロッパーにとって利用しやすいプラットフォームとしてWindows Azureを位置づけようとしているのではないでしょうか。
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