Windows Azure XDriveは、Azure仮想マシン用のストレージ
11月18日の記事「[速報]マイクロソフトのPDC09開幕、Windows Azureを仮想ドライブに、クラウドで仮想マシンも実行可能」では、ロサンゼルスで開催されたマイクロソフトのイベント「PDC09」の基調講演の内容をどこよりも早く記事として紹介しました。
しかしこの記事のタイトルにもなったWindows Azureの仮想ドライブについては内容が間違っていました。あたかもWindows Azureの新機能がクライアントPCの仮想ドライブになるように書きましたが、実際にはそのような機能ではありませんでした。読者ならびに関係者の方々にお詫び申し上げます(なお、前述の記事はタイトルと内容について修正をいたしましたので、現時点ではタイトル名が変わっています)。
ここではその訂正の意味も込めて、あらためてこのPDC09で発表されたWindows Azureの新しい機能、「Windows Azure XDrive」について、PDC09で行われたセッション「Windows Azure Blob and Drive Deep Dive」の内容を基に紹介します。
XDriveは、Windows Azure VM用のストレージ
Windows Azureでは、新しくクラウド内で従来のWebロール、Workerロール以外にも仮想マシンを実行することができるようになると、PDC09で発表されました。仮想マシンの詳細はまだ明らかになっていませんが、仮想マシン上でWindows Serverが実行できるのではないかと考えられます。
こうした仮想マシンに対してNTFSボリュームとしてマウントできるのが、Windows Azure XDriveという新機能です。Amazonクラウドを例にすると、仮想マシンを提供するAmazon EC2とストレージを提供するAmazon EBS(Elastic Block Store)の関係にあたるのが、Windows Azure VMとWindows Azure XDriveに似た関係となります。
追記(11/30):Azure XDriveは、新機能としてのWindows Azure VMからだけでなく、Webロール、Workerロールなどからも利用可能だと指摘をいただき、それに沿って修正しました。
Windows AzureにはBlobsやTablesといったストレージ機能が当初から用意されていましたが、これらはREST API経由で操作することになっていました。今回のWindows Azure XDriveは、仮想マシンからNTFSとしてマウントすることで、ストレージの操作に一般的なWindows ServerのAPIを利用可能にするものと予想されます。
上記がWindows Azure XDriveの仕組みを解説した図です。マウントしたドライブの実体は図にあるようにBlobであり、それをあたかもNTFSボリュームのように仮想マシンからマウント可能にする機能とキャッシュの機能から構成されています。
Windows Azure XDriveは仮想マシンとは独立したストレージですので、仮想マシンの実行が終了したりアンマウントされていても、保存されている内容はずっと保持されています。
またWindows Azure XDriveは、ある瞬間の内容をコピーしたスナップショットを作成することができます。
このスナップショットを別のWindows Azure VMからマウントし、利用することで、負荷分散を実現するといったことも可能です。
Windows Azure XDriveは2010年2月に利用可能になる予定とされています。