米ホワイトハウスのWebサイトがオープンソースで再構築、よりセキュアに
米ホワイトハウスのWebサイトは先週の土曜日、10月24日(現地時間)にオープンソースで再構築された新システムとして生まれ変わったことが明らかになりました。Red Hat Linux、Apache、MySQLにCMSとしてDrupalが用いられ、検索エンジンとしてApache Solrが採用されたと、ティム・オライリー氏がブログ「Thoughts on the Whitehouse.gov switch to Drupal」で紹介、「これはオープンソースの大きな勝利だ」と書いています。
米国政府のオープンソース利用拡大を目指す団体「Open Source for America」のステアリングコミッティに所属するJohn Scott氏は、次のようなコメントを表明しています。
This is great news not only for the use of open source software, but the validation of the open source development model. The Whitehouse's technical leadership and adoption of community-based software provides a great example for the rest of the government to follow.
このニュースによって、オープンソースソフトウェアだけでなく、オープンソースの開発モデルについても有効性が証明されました。ホワイトハウスの技術的なリーダーシップとコミュニティが生み出したソフトウェアは、他の政府機関が見習うべき優れた先例となります。
同氏が指摘するようにホワイトハウスは単にオープンソースに人気があるから、あるいは無料で利用できるから、といった簡単な理由ではなく、技術的に優れていることを認めて採用したと考えられます。
AP通信の報道によると、ホワイトハウスの関係者の発言として、今回の再構築ではよりセキュアなWebサイトになることが期待していた、とあります。
White House officials described the change as similar to rebuilding the foundation of a building without changing the street-level appearance of the facade. It was expected to make the White House site more secure
ホワイトハウス関係者によると、今回の変更は内部的には基礎からの再構築に近い一方で、見栄えについてはまったく変更をしていないとのこと。ただし、ホワイトハウスのWebサイトのセキュリティをより高めることが期待されていた
いうまでもなく、ホワイトハウスのWebサイトは世界でもっとも頻繁に攻撃のターゲットとされるWebサイトの1つ。そのインフラからアプリケーションまで、すべてがオープンソースソフトウェアで構成されたことは、オープンソースソフトウェアに対する社会的な関心と信用を高める上で大きな効果があることは間違いないでしょう。
CMSとして採用されたDrupalは、2007年、2008年と2年続けて「Open Source CMS Award」を獲得している非常に評判の高いソフトウェアですので、ホワイトハウスのCMSに採用されたことはうなずけます。日本ではあまり知られていないソフトウェアですが、これをきっかけに日本でも利用が広がるかもしれません(Drupalの日本語公式サイト)。