アジャイル開発手法「スクラム」のガイド本、無料でScrum Allianceから公開
アジャイル開発手法には複数の手法あるいはプラクティスと呼ばれるものがありますが、その中で「スクラム」はもっともよく使われている手法として知られており、マイクロソフトやIBMをはじめ多くの企業がソフトウェア開発の現場で採用しています。
そのスクラムを実践するための「スクラムガイド(Scrum Guide in Japanese)」が、スクラムの普及促進のための団体「Scrum Alliance」から公開されました。誰でも無料でダウンロードできます。翻訳を行った角征典氏が、今日「Scrum Guide 日本語訳が出た。」とつぶやいていました。
(追記 2010/5/6:理由は不明ですが上記からは削除されています。kdmsnr's ScrumGuide at master - GitHubで再公開されてるようです)
スクラムガイドはPDFで配布されており、わずか14ページで構成されるシンプルな内容になっています。スクラムのエッセンスがそれだけシンプルであることを表したガイドといえるでしょう。
スクラムガイドの内容紹介
スクラムガイドの内容を少しだけ紹介しましょう。
スクラム入門の項目では、スクラムを以下のように説明しています。
スクラム入門
スクラムは1990年代初頭から複雑なプロダクトの開発に使用されてきた。本稿では、スクラムをプロダクト開発に使用する方法を説明する。ただし、スクラムはプロセスや技術ではない。正しくは、様々なプロセスや技術を取り込むことのできるフレームワークである。スクラムの役割は、複雑なプロダクト開発が可能なフレームワークを提供することで、開発プラクティスの効果を相対的に浮き彫りにし、改善することである。
スクラムの内容から、ポイントだけを抜き出してみます。
スクラムの内容
スクラムフレームワークは、スクラムチームとその役割、タイムボックス、成果物、およびルールで構成される。
スクラムチームは、柔軟性と生産性の最適化を目指すものである。チームは、自己組織化しており、クロスファンクショナルであり、反復的に作業をする。
(略)
スクラムがタイムボックスを採用しているのは、規則的なリズムをつけるためである。タイムボックスには、リリース計画ミーティング、スプリント計画ミーティング、スプリント、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブが含まれる。
(略)
ルールは、スクラムのタイムボックス、役割、および成果物を結びつけるものである。
スクラムは上記のスクラム入門での説明にもあるように、フレームワークとして使うことができるため、アジャイルのほかのプラクティスやその企業特有の手法などと組み合わせて実践できる柔軟さが魅力の1つといわれています。
国内でのスクラムの普及については、「すくすくスクラム」というコミュニティ活動も活発に行われています。もし興味があったり、さらに深く知りたい方はそうした活動にも参加してみてはいかがでしょうか。