RubyWorld Conference、まつもと氏の基調講演「Rubyは愛である(笑)」(Twitter中継)
昨日と今日の2日間、島根県松江市の「くにびきメッセ」では、Rubyの国際会議「RubyWorld Coference 2009」が開催中です。2つある会場の講演はUstreamを利用して生中継されており、誰でも見ることができます。
2日目の今日、基調講演にRuby創始者のまつもとゆきひろ氏が登壇しました。講演の内容を、元日経Javaレビュー編集長でPublickeyのゲストブロガーでもある星暁雄氏がUstreamの生中継を参照しながらTwitterで分かりやすくつぶやいていたので、ここに記事としてまとめて紹介します。
#RWC2009 のUstreamを見ている。前田修吾氏の挨拶から。「楽しくプログラミングを」「プログラマでない方には、楽しくプログラミングしている様子を温かく見て欲しい。その方が最終的には良いものができる」
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。「2009年の日本は、経済的にはともかく、プログラミングの黄金時代」。1940年代まで「コンピュータがない」50年代まで「プログラミング言語がない」60年代まで「アルゴリズムがない」70年代まで「(経験の)蓄積がない」
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。1980年代まで「ネットがない」1990年代まで「性能がない」「この時代が一番暗黒時代」93年にRubyを作り始めた。当時は200万円ぐらいのEWS。コンパイルに20分。優れた技術を使えない。まがいものの横行。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。「そして21世紀。性能・価格が十分に。リテラシーも向上」。娘のために買った携帯電話、中身はJVMも載っているコンピュータ。最初にRubyをコンパイルしたEWSより高速! 21世紀は明るい、可能性のある時代。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。プログラミングの黄金時代。評価されるべき技術が評価される。人間が重視される。昔は紙の上でコーディング。CPUタイムを無駄に使うと叱られた。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。時宜を得た技術(Timely Technology)。World Wide Web、Open Source、Ruby。WWWは1980年代だったら「ネットワークやコンピュータの無駄使い」と言われただろう。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Open Sourceのバザールモデルも、インターネットやリテラシー向上が前提。そしてRubyも。Rubyのポイント、ネットワーク、テキスト処理、オブジェクト指向。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Ruby、テキスト処理を得意とする言語として設計した。今、我々が処理するデータの多くはテキスト。E-mail、World Wide Web、XML。Rubyがうまく扱えるコンピューティングの範囲が広がった。タイミングが良かった。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。オブジェクト指向、昔はよく分からないモノ扱いだったが、21世紀の言語の常識に。あらゆる言語がOOの機能を持っている。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Rubyは最高速の言語ではない。例えばJavaはほとんどの場合でRubyより速いだろう。だが今や性能は大きな問題ではなくなっている。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。ほとんどの仕組みがソフトウエアで動いている。生産性が重要に。そして人間性が重要に。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。ソフトウエア工場という発想があった。クルマなど工業製品を作るように、人間性を排除して生産手順を標準化する。だが、20年たってこの考えは間違いであることが分かった。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。ソフトウエア開発は、それまで思われていた以上に人間的。日本の工場も、セル生産方式で人間性に回帰。人間性を取り戻し、生産性を高める。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。プログラミングに大切なものは、人間(開発者)。新3KなどIT業界は魅力ない仕事と思われている。大切なものを軽視している。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。昨日のTim Bray氏講演に出てきた http://www.ravelry.com/ 、1人で作ったそうだが、日本のITベンダーが作ったら200人月ぐらいの見積もりになるのでは。フリーダムな開発と、生産性の高さ。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。皆さんがガンプラを作るのと同じように、私は(趣味として)Rubyを作った。ただ2000年を越えてRubyが仕事になり始めた。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。私自身は意識が変わっていなくて、趣味がフルタイムになってHappy。しかし、Rubyを使うことで多くの人々が幸せになっても、私のコストは変わらない。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Ruby on Railsの登場。作者のDHHは、弁が立つ、議論に絶対負けないタイプ。マーケティングが上手。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。私はこの歳まで、OSSにマーケティングが役に立つという発想がなかった。1990年代に役に立たないツールを売りつけたマーケターを憎んですらいた(笑)。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。DHHとMatzのマーケティング能力が逆だったら、大変なことになっていた(笑)。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Rubyで社会すら変わってきている。社会のマインドが、Rubyを受け入れる余裕ができてきた。生産性へ対する要求など。Ruby(だけではないが)によりIT業界が変化している。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Rubyは社会を変革するツールになりうる。人間の都合でコンピュータをこき使う時代。その先端にいるのがRubyや、そのほかの言語。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。そして中央から地方へ、という動きの一つのシンボル。だから島根県。日本のソフト復権。Rubyの可能性を道具として、社会をどう変えるか。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Rubyは遅い言語だが、有益な言語。性能より生産性が問題となるケースの方が多い。とはいえ、プログラムが速く終わって文句を言う人はいない。性能改善の努力は続ける。Ruby 1.9はかなり速くなっています。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Rubyを信頼できる言語に。標準規格、共通テスト・スイートを用意。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。言語の安定とは、変化しないことではない。むしろ社会や技術の変化への対処。熟慮された進化。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。「Rubyはプログラマを信頼する」。余計なことをさせない言語もあるが、Rubyはプログラマを責任のある大人として扱う。Rubyは私が使うために使った言語だから。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。子供の頃、肥後の守(ナイフ)を与えてもらっていた。つまりナイフで危険な事をしないと信頼されていた。同じ事を、皆さんにも要求します。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。「Rubyの次は何を?」と聞かれることがある。16年作っているが、プログラミング言語は奥が深い。50年経ってもRubyを作っていたい。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。RubyKaigi、地域Ruyy会議、Euro Ruby、Ruby Conf。世界中でRubyは愛されている。Rubyにまつわるコミュニティに魅力がある。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。なぜRubyは社会を変革できるか。Ruby使いの胸の内に熱い情熱があって、それが社会を変えるんじゃないか。ソフトウエアは本当の意味では社会を変えることは出来ない。ツールを手にした人々の思いが変える。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。まとめると、Rubyは愛である(笑)。愛は未来を作る。愛は未来を拓く。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演。Q: 先見性があると思うが、その源泉は? A: 一つは運が良かった。一つは、UNIXプログラマだった。UNIXの環境は生き残り、その上に載っていた私とRubyがより有意義な存在になることができた。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日
#RWC2009 まつもとゆきひろ氏講演のQ&A続き。子供に「愛」を伝えるには、可能性を提示すること。ただ、4人いる自分の子供に大して可能性を提示しているが反応してくれない(笑)。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2009年9月8日