グーグル、量子コンピュータのデモンストレーションを行う
グーグルは12月8日付けのブログ「Official Google Research Blog: Machine Learning with Quantum Algorithms」で、量子コンピュータの研究を過去3年にわたって行っており、カンファレンスにてデモンストレーションを行ったことを明らかにしましたました。
ポストされたエントリから引用します。
Over the past three years a team at Google has studied how problems such as recognizing an object in an image or learning to make an optimal decision based on example data can be made amenable to solution by quantum algorithms.
過去3年にわたり、グーグル内のチームはデータを基に画像の中のものを認識したり、適切な判断を学習したりするような、どのような課題が量子アルゴリズムに適したものとなるのかについて研究してきました。
量子コンピュータのハードウェアについてはカナダのD-Waveと協力しているとのこと。
On the hardware side we are collaborating with D-Wave in Vancouver, Canada. D-Wave develops processors that realize the adiabatic quantum algorithm by magnetically coupling superconducting loops called rf-squid flux qubits.
ハードウェアの面では、カナダ バンクーバーのD-Waveと協業しています。D-Waveはrf-squid flux量子ビットと呼ばれる電磁カップリング超伝導ループによって断熱的量子アルゴリズムを実現するプロセッサを開発しています。
グーグルはこれまでの成果をNeural Information Processing Systems conferenceで発表。その内容は、D-Wave C4 Chimera chipを使い断熱的量子アルゴリズムで学習し、例示された複数の画像の中の自動車を探知できる探知装置のデモンストレーションとのことです。
そしてこの探知装置はすでに、従来のコンピュータによる解法よりも優れているとブログで説明されています。
There are still many open questions but in our experiments we observed that this detector performs better than those we had trained using classical solvers running on the computers we have in our data centers today.
まだまだ多くの課題が残されてはいますが、これまでの実験では、この探知装置は現在データセンターで稼働しているコンピュータでの古典的な解法よりもよい結果を示しています。
カンファレンスでグーグルが行った発表の様子は、Videolectures.comの「Training a Binary Classifier with the Quantum Adiabatic Algorithm」のWebページで20分のビデオとスライドによってみることができます。