北海道石狩市で雪冷データセンターの実証実験、来年実施へ
北海道の石狩市で来年、雪氷によってサーバの冷却を行うデータセンターの実証実験が行われます。同市へのデータセンター誘致活動の一環として、12月8日、9日に都内で開催中のイベント「SaaS World / Tokyo 2009」では雪冷データセンターのモックアップが展示されました。
北海道が作成した資料によると、北海道は他地域と比較して今後30年で地震に襲われる確率が非常に低く、データセンター運営の支障となりやすい台風や雷の発生も少なく、寒冷な気候などデータセンターの運営に適した条件を備えているとのこと。
その中で石狩湾新港地域は「北海道データセンターリッチアセスメント委員会」による調査で、電力供給、通信ルート、土地の価格、そして雪の確保などデータセンター立地の条件が道内でもっとも整った地域として名前があがりました。これらを受けて、石狩市および第三セクターの石狩開発株式会社は、現在データセンターの誘致を行っています。
石狩市 企業誘致室主査の紺健司氏によると、雪冷データセンターでは冬の間に集めた雪氷を厚手のシートの下で保護しつつ、溶けた後の水も含めて冷却に有効利用する予定。雪氷を用いた冷却は、北海道グリーンエナジーデータセンター研究会で以前から研究されており、これまでの研究でデータセンターの冷房にかかる消費電力の89%が削減可能。机上の計算もすべて済んでいて、そのうえで来年に実証実験を行うとのことです。