数十万台のサーバを備える最新データセンター、管理はわずか数十人?
マイクロソフトがアイルランドのダブリンに最新のデータセンターを建設したと、先日の記事「マイクロソフトも最新型の冷房なしデータセンターを完成、グーグル追撃!」でお伝えしました。
このダブリンのデータセンターは、面積が約2800平方メートル(約30万3000スクエアフィート)。これは東京ドームのグラウンド約1300平方メートルの2倍以上です。
設置されるサーバの台数は不明ですが、同社がダブリンとほぼ並行してシカゴに建設していたデータセンターは約50万台のサーバが設置されると、日経コンピュータの中田敦記者が推測しています。ダブリンのデータセンターはシカゴの約半分程度と発表されているので、20万台程度のサーバが設置されるのではないかと推測して話を進めましょう。
従業員はたったの35人?
この、東京ドームのグラウンドの2倍の面積、約20万台のサーバが設置されたダブリンのデータセンターで働く従業員は何人になるのでしょうか? アイルランドのIrish Examinerは「Microsoft's new €388m centre in Dublin may lead to 35 jobs at firm」の記事で、タイトル通り35人の雇用が生まれると書いています。
35人!
もちろん地元の雇用だけがすべてではなく、データセンターの専門家や管理職が本社から送り込まれるにせよ、35人でデータセンターを運用するとすれば、単純計算で1人あたりのサーバ台数は5700台程度になりそうです。
2008年5月にラスベガスで開催された「Microsoft Management Summit 2008」では、マイクロソフトのデータセンターで「1人の管理者が5000台のサーバーを管理している」との発言がありました。ダブリンの最新データセンターではそれがより効率的になった、と考えれば、1人当たりのサーバが5700台程度に改善されてもおかしくなく、データセンターの従業員としての地元雇用が35人程度、これに本社からの管理職や専門家が数人というのは、それほど外れていない数字のように思います。
アップルのデータセンターはどうか?
アップルはノースカロライナ州に州メイデンに、単体としては世界最大級のデータセンターを建設中です。面積は約4万6500平方メートル(約50万スクエアフィート)と、前述のマイクロソフトがダブリンに建設したデータセンターの約16倍、東京ドームのグラウンドが約36個分という信じられないほど大きな面積の土地を確保しているようです。
さて、このデータセンターがどれだけ雇用を生むかというと、Datacenter Knowledgeが6月に公開した記事「Apple iDataCenter Set for Maiden, NC」では、
The project will bring at least 50 high-paying jobs to Catawba County,
少なくとも50人の高給社員が雇用されることだろう。
少なくとも50人!
実際に広大な敷地の中にどれほどの規模のデータセンターが建設されるのか不明ですが、やはり大規模なデータセンターであっても、その内部で働くのは数十人規模。そして1人当たりの担当サーバが数千台以上、になるということは当てはまりそうです。
この人数で大規模なデータセンターを監視するとすれば、たしかに施設の中を自転車で移動したくなりますよね。