世界でいちばん使われるモデリングツールを目指して、チェンジビジョン
ソフトウェア設計支援ツールとして、UMLダイアグラムやER図、マインドマップの描画機能などを備えるツール「JUDE」(ジュード)。開発元であるチェンジビジョンの代表取締役社長で、国内ではアジャイル開発手法の第一人者としても知られる平鍋健児氏は、世界のソフトウェア市場に向かって日本からオリジナルなソフトウェア製品を出すという目標を掲げてJUDEを開発し展開していると、以前から発言しています。
そのJUDEが1999年に登場してからちょうど10年。チェンジビジョンはこれまでの製品名「JUDE」を「astah*」(アスター)という新名称に変更し、機能強化やラインナップの拡充のうえ10月19日に世界同時発売することを発表しました。
アジアのIT人口が伸びている、そこを開拓する
平鍋氏は「日本ではモデリングの浸透度はある程度行き渡ったと思う」という認識を述べたうえで、「ソフトウェア開発人口をワールドワイドで見ると、アジアで増加している。ソフトウェアの新技術はたいていアメリカから来ているが、それを使う開発者はアジアにいる。ここにこれからモデリングツールが入っていくのではないか」と、今後成長が期待されるアジア市場を開拓していくことを明らかにしました。
そこで、astah* では製品ターゲットを再設定し、より多くの「世界」の「現場」の開発者に使ってもらうためのツールと位置づけ、ライセンス数で世界一を目指すとのことです。
こうした戦略に沿って、astah* 製品ではいくつかの強化が行われています。
1つは安価なバージョンである「astah* UML」の投入。UMLとマインドマップのシンプルなツールで価格を抑え、月額4ドル程度に設定(支払いは年間契約)することで、高価なツールに手が届かない地域や中小規模の開発チームでの利用を促進するとのこと。
もう1つは、astah* シリーズで作成したUMLダイアグラムやER図などの図をすべてWebブラウザで参照可能にする新機能を搭載した「astah* share」の投入。これにより、astah* シリーズをインストールしていないメンバーともUMLダイアグラムやER図、マインドマップなどのビジュアルを用いたコミュニケーションが容易になり、設計支援ツールを導入しやすくするのが狙いとのこと。
もちろん、JUDEにあった無償版の「JUDE/Community」は「astah* community」として引き継がれています。
平鍋氏は「今後3年でライセンス数を無償版で3倍、有償版で5倍にし、モデリングツールのライセンス数で世界一を目指す」としています。ターゲットとなるインドや中国市場の開発者は、オフショアの発注元であるアメリカで知ってもらうことによる影響が大きいため、まずはアメリカでのマーケティング活動をしていきたいと考えているとのことでした。
関連記事 on Publickey
- eXtreme Programmingが今年で10周年、ブーム再び
- アジャイル開発手法に関する調査レポート。Scrumの普及率が圧倒的
- 「Agile Japan 2009」開催! どうすればアジャイルが日本で普及するのか?
参考記事 on the Web
あわせて読みたい
速報:Oracle+Sun統合製品第一弾はOLTPとDWHの両対応マシン、Xeon5500+Flashストレージ+InfiniBand
≪前の記事
プログラマーには、コーディングの生産性で10倍、コードレビューの速度では6倍もの能力差があるという