マイクロソフトも最新型の冷房なしデータセンターを完成、グーグル追撃!
マイクロソフトのデータセンターに関するブログ「ms datacenters」で、同社の米国外における初の、そして最新技術を投入したデータセンターが、アイルランドのダブリンに完成したことが、「Dublin Data Center Celebrates Grand Opening」のエントリで紹介されています。
以前のPublickeyの記事「グーグルの最新のデータセンターは非常識なほど進化している」では、冷房を用いず外気だけでサーバの冷却を行うグーグルの最新データセンターを紹介しましたが、今回マイクロソフトが完成させたダブリンのデータセンターも、この外気のみで冷却を行う構造を備えています。マイクロソフトがデータセンターの技術においてグーグルに追いついていることを示す、重要なデータセンターが完成したといえるでしょう。
マイクロソフトによると、このデータセンターはヨーロッパ、中東、アフリカを担当し、Microsoft Online Services、Windows Live、Windows Azureなどのクラウドサービスを運用することになるようです。
温度上昇時に対応する「Direct eXpansion cooling」とは何?
データセンターのあるダブリン周辺の年間平均気温は約マイナス5度から27度。この外気を用いることでサーバを冷却します。マイクロソフトによると、通常は最大でも35度以下にサーバルームの温度を保てるとのこと。
冷房を用いないことで、従来のデータセンターよりも環境に優しい運用が可能になるのですが、これをマイクロソフトは次のように書いています。
As a result of these measures the Dublin facility will use less than 1% of the water that traditional data center facilities typically use on an annual basis, and will improve Power Usage Effectiveness (PUE) by approximately 50%.
ダブリンの設備では、従来の典型的なデータセンターが1年間に使用する冷却水の1%以下の水しか用いない。そして、PUEはおおよそ50%改善する。
しかし、このデータセンターにまったく冷房設備がないかといえば、そうではないようです。万が一、サーバルームの温度が異常に上昇したり火事のようになった場合には、Direct eXpansion (DX) coolingが発動すると説明しています。このDX coolingとは、一般の家屋で使われているようなエアコン設備のことだそうで、こうしたものにDX coolingと命名するところは何だかマイクロソフトっぽいですね。