iモード2.0、Android、JetPack。JavaScriptの勢いは止まらない
JavaScriptは、Webアプリケーションの記述言語としてだけでなく、モバイルアプリケーションとデスクトップアプリケーションをも記述するプログラミング言語、という地位を確立する途上にあるかのようです。
すでにiPhoneはSafariでJavaScriptに対応済みですが、先週NTTドコモが発表したiモード2.0とAndroidケータイ。両方ともJavaScriptに対応することになりました。報道されている内容を読む限りフルセットのJavaScriptで、メモリ容量や動作速度の制限はあるのでそのままというわけにはいかないでしょうが、これまでPCのWebブラウザで動作していたダイナミックなAjaxアプリケーションがモバイルデバイスの上でも実現できるようになります。
これまでモバイルデバイス向けのアプリケーションは、iPhone向けならObjective-Cなど、各デバイス向けに用意された開発環境を利用した開発が中心でした。これからはJavaScriptで記述することで、より速く簡単に複数のモバイルデバイスに対応したアプリケーションを実現する環境が整ってくるのではないでしょうか。今後、多くのモバイル向けアプリケーションがJavaScriptをプログラミング言語として開発されていくことが期待されます。
同じく先週、Mozilla Labsが公開した新プロジェクト「Jetpack」もJavaScriptが重要な役割を果たしています。JetPackはWebブラウザのFirefoxのアドオンをJavaScriptで記述するための機能を提供するアドオンです。こうしたJavaScriptを拡張用言語とするプラットフォームはJetpackが初めてではありません。よく知られているFirefoxのプラグインであるGreasemonkeyも、JavaScriptを用いて機能を拡張する仕様になっています。
デスクトップアプリケーションでもJavaScriptは使われ始めています。アドビシステムズのAIRは、JavaScriptを用いてデスクトップアプリケーションが開発できるプラットフォーム。以前レビュー記事で紹介したTwitter用のクライアントアプリケーション、TweetDeckやtwhirlなどを含めた多くは、JavaScriptによって開発されたAIR製デスクトップアプリケーションのはずです。
PCでも、モバイルでも、家電でも動作するプログラミング言語という地位は、かつてJavaが目指して成らず、マイクロソフトはWindowsで同様のことを実現しようとしていますが、成功にはほど遠い状態です。
しかしいまのJavaScriptの勢いならば、それを成し遂げてしまうのではないかと僕は想像しています。
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