HTML5について日本語で議論するW3Cのグループ「HTML5 Japanese Interest Group」がスタート
WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)と共同でHTML5の仕様策定を行っているW3Cが、HTML5仕様およびHTML5関連仕様について集中的な議論を日本語で行う「HTML5 Japanese Interest Group」を開始したと発表しました。
HTML5および関連仕様についての活発な議論を目指す
活動内容は「HTML5 Japanese Interest Group 憲章」に次のように記してあります。一部を引用します。
HTML5 Japanese Interest Group の活動は、HTML5 仕様 に関する集中的な議論を、日本語でに行うことが中心になります。
この活動は、W3C で行われている HTML5 関連の活動により深く関わるために何ができるかを、日本の W3C 会員と協議したなかで生まれたものです。次のような現状認識をふまえ、最終的にこの新しい Interest Group の設立に至りました。
- HTML5 策定活動に貢献できうる HTML5 仕様がカバーする技術に精通する人物すべてが、英語で行われる議論への参加を得意としているわけではない。母国語の方がより効果的に議論ができるということもある。
- 技術的な議論を日本語で行う場を設けることにより、より多くの人を招くことが期待できる。また、同じ時間帯での活動は、オンライン上でリアルタイムに近い密なコミュニケーションを展開可能とするほか、face-to-face ミーティングの設定においても、同じ地域にいることで参加者を多く集められる利点がある。
そして、このグループの成果が何によって評価されるかといえば、「HTML5 および関連仕様について日本のW3C会員やコミュニティと活発な議論をどれだけ生産的に行えたか、またグループが HTML5 と関連仕様の策定・実装・日本での展開に貢献するような文書の作成を、どれだけ効果的に行えたかによって」だそうです。
議長は、W3C関連の情報を積極的に提供していることでPublickeyでも何度か紹介しているミツエーリンクスの矢倉眞隆氏。
活動は主にメーリングリストで行われます。参加は誰でも可能で、HTML5 Japanese Interest Groupのページにある一般参加にメーリングリストへの参加方法が説明してあります(説明は英語です、日本語訳ページはこちら)。
またメーリングリストで議論されている内容は、Webページとして[email protected] Mail Archivesで公開されていますので、メーリングリストに参加しなくても議論されている内容を参照することができます。
HTML5に関する活動としては、Googleグループ上に設定された「html5-developers-jp」がありました。新たに、W3Cに日本語でHTML5とその周辺仕様に関する議論を行うグループができたことで、日本におけるHTML5の議論がさらに盛り上がることが期待されます。と同時に、HTML5を日本語で議論する場がW3Cの中に設けられたことは、日本語を標準言語としている私たちにとって非常に有益なことではないかと思います。