Google Book Searchの和解について、米司法省が独占禁止法違反の疑いで調査を開始
米司法省が、昨年10月のGoogle Book Searchに関するグーグルと著作者団体、出版社協会との和解について、独占禁止法に触れていないかどうか調査を開始したと、ウォールストリートジャーナルが「Google Book-Search Pact Draws Antitrust Scrutiny - WSJ.com」で報じています。また、ニューヨークタイムズも同様の報道をしている模様です。
そもそも、和解の対象となった訴訟は、グーグルが著名な図書館および出版社と提携して書籍をスキャンし、その書籍を検索対象にすると同時に一部をプレビューできるサービス「Google Book Search」に対して、著作者団体(Authors Guild)や出版社協会(Association of American Publishers)らが著作権侵害などで訴えていたものです。
この訴訟の和解は昨年10月に行われました。
この和解が成立すると、米国での「Google Book Search」サービスにおいては、図書館との提携でスキャンした書籍について、絶版または市販されていない書籍の全文が閲覧できるようになる。著作権の保護期間が切れた書籍については、これまでも全文の閲覧が可能だった。
今回の和解により、著作権の保護期間内である書籍についても、絶版または市販されていない書籍であれば閲覧可能となる。また、Googleでは著作権保護期間内の書籍の使用により得た全収益の63%を権利者に支払うことなどが決められている。
Googleブック検索、米裁判の和解が日本の著作権者にも影響 - Internet Watch
ウォールストリートジャーナルの報道では、「この合意では、権利者の不明な作品についての値付けや利用について、あまりにもグーグルに都合よくなっているのではないか、という懸念が最近になって専門家のあいだで浮上していた」という説明もありました。
日本の権利者も無関係ではないこの和解、報道時点では司法省や著作者団体からのコメントは得られなかったそうです。