Eclipse 3.5 Galileoが7月の日食よりも早く、来週水曜日に正式公開
日本では来月22日に奄美大島などで皆既日食が観測される予定ですが、それよりも早く来週、世界中で日食が登場することになります。オープソースの統合開発環境で知られるEclipseの新バージョン、Eclipse 3.5 Galieo正式版が6月24日公開予定なのです。
Eclipseのサイトではカウトダウンバナーも貼られ、Galileoについてのレビューをみんなでブログに書いて盛り上げよう、というBlog-a-thonなどのネット上のイベントも開催中です。
コードネームGalileoの理由
Eclipse 3.5はコードネームGalileoと呼ばれています。Eclipseには以前のバージョンから木星の衛星のコードネームが付けられてきました。Eclipse 3.2 Callisto、Eclipse 3.3 Europa、Eclipse 3.4 Ganymedeといった具合です。
3.5は当初はioというコードネームだったようですが、入出力のi/oと紛らわしいという理由で、木星の主要4衛星の総称として使われているGallileo(ガリレオが天体望遠鏡を使って木星を観測した際に、はじめてこれら4衛星を発見したためにそう呼ばれています)がEclipse 3.5のコードネームとして採用されたそうです。
Eclipse 3.5 Galileoの新機能
新バージョンではどのような新機能があるのでしょうか? Blog-a-thonには、さまざまなブロガーによるEclipse 3.5 Galileoのレビューが紹介されています。その中からいくつかピックアップして紹介しましょう。
まずは唯一、日本語のブログとしてBlog-a-thonに参加しているブログ「Fly me to the Galileo」のエントリ「from Ganymede to Galileo (Part1): Eclipse 3.5 を見ていくよ!(その1)」から紹介しましょう。ブロガーのkompiro氏によると「自分は主にPlug-in/RCPの開発者なので、その視点で、いいと思っている点をレポートしていきます」とのことです。
Equinox/p2が標準
kompiroさんが1つ目の特徴としてあげているのが「P2が標準」になっていること。
P2とはEquinox/p2(Provisioning Platform)のことで、Eclipse 3.5 Galileoのアップデートマネージャとして採用されています。
開発を始めるときにTarget Platformに作成したSoftware siteを指定すると、必要なフィーチャーを自動的に探してきてローカルにインストールし、開発環境を作成してくれるらしいです。
OSGiのDeclarative Serviceの導入
OSGiとは「Javaモジュールの動的追加や実行を管理するための基盤システム」のことで、Eclipse 3.0以降のプラグインの仕組みとして採用されています。これにより、Eclipseを再起動しなくとも利用可能な動的プラグインを実現しています(参考:EclipseやSpringで使われている基盤技術OSGiとは (1/3) - @IT)。
Eclipseの新バージョンでは、
Declarative Service(通称:OSGi DS)を使うことにより、XMLで宣言的に依存しているサービスを注入することができるようになります。
とのことです。
JUnit 4.5サポート
3つ目に指摘しているのが、Javaの単体テストを支援するフレームワーク、JUnit 4.5のサポート。
3.5からは標準でついているし、比較とかのテストを読みやすい形で書けるので、積極的に使っていきます。
だそうです。このほかにも「toString()の自動生成サポート」「WikiTextEditorの導入」などを挙げています。
続いて、同じくBlog-a-thonにエントリしているブログ「Strongly Typed, Loosely Coupled」のエントリ「Eclipse Galileo Release」から、ブロガーNick Wiedenbrueck氏が挙げたポイントを見ていきましょう。
Update-Manager
Wiedenbrueck氏もやはりEquinox/p2によって新しくなったアップデートマネージャを新機能の1つ目として挙げています。
In Galileo the update manager works fine and its design has been improved.
Tabbing
2つ目は、複数のタブが存在するユーザーインターフェイスの場合の操作性が向上している、という指摘。
As soon as you tabbed into an tab which itself had multiple tabs (such as the XML editor has a source tab and a design tab) you simply could not tab further outside of this tab.
toString() generation
3つ目はtoString()の生成機能。これもkompiroさんが挙げていた機能です。小さいながらもよく使う機能として注目されているのでしょう。
続いてブログ「Eclipse PDE and Me」のエントリ「When a n00b met Galileo」でも、ブロガーのAnkur Sharma氏がEclipse 3.5 Galileoで気に入っているポイントを紹介しています。見てみましょう。
API Tooling
Eclipse 3.4から登場したAPI Tooling機能に加わったbaseline compare機能が非常にいい、とSharama氏は指摘しています。
With the new API Tooling view, we can now compare the code with any baseline and figure out what all got changed.
API Tooling viewを使うと、CVSの履歴から、誰がどのように変更したのか、といった差分を表示することができるとのこと。この機能は実際にこの機能の実装を担当したChris Aniszczyk氏のブログ「Comparing API Baselines « EclipseSource Blog」で詳しく説明されています。
Hyperlinking
ソースコード上の変数や関数などに自動的にリンクが付くようになり、マウスを載せてCtrlキーを押しながらクリックすると自動的に定義された部分へジャンプするようになったそうです。
Export wizard enhancements
Exportウィザードの新しいオプション「Use class file compiled in thw workspace」の「Build Automatically」をチェックすることで、エクスポートする時間が大幅に節約できる、という点が3つめとして挙げられています。
Solaris x86にも対応
Blog-a-thonには参加していませんが、InfoQの記事「InfoQ: Getting Ready for Eclipse 3.5 (Galileo): What's New?」や、Eclipse自身によるドキュメント「Eclipse 3.5 M7 News」でも、Eclipse 3.5 Galileoの新機能がまとまっています。それによると、Solaris x86への対応などが新たに加わるそうです。
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