「BPMN 2.0」OMGが採択。ベンダ間の共通フォーマットも
CORBAやUMLなどの標準化団体として知られるOMG(Object Management Group)は12月18日、ビジネスプロセスを記述するためのモデリング言語の新バージョン「BPMN 2.0」を採択したと発表しました。
BPMNはBusiness Process Modeling Notationの略で、ビジネスプロセスをフローチャートのように記号を用いて記述するモデリング言語です。UMLが一般的なソフトウェアの仕様を記号を用いて記述するのに対し、BPMNはビジネスプロセスという目的に絞り、それを記述するのに適したモデリング言語として開発されました。
ベンダ間の共通フォーマットも
OMGの発表によるとBPMN 2.0では、ベンダ間での共通フォーマットや、ネイティブな実行形式のフォーマットなどのこれまでのBPMNでは実現できていなかった点を改善。このことから、オラクルやSAP、IBMなどのBPMツールで記述したBPMN 2.0のダイアグラムを別のベンダーのツールで読み込んだり、BPMN 2.0のダイアグラムをBPEL4WS(Business Process Execution Language for Web Services)を経ることなくそのまま実行することも可能になると期待されます。
またコラボレーション的なビジネスプロセスの記述など、コア部分にも多くの改良が加えられているとのことです。
BPMN 2.0はアクセンチュア、フランステレコム、オラクル、IBM、SAP、ティブコなど多くのベンダが支持しており、2010年には対応した製品がリリースされる見通しです。
BPMNで業務アプリケーションの記述は普及するか
BPMNの技術的な土台となっているのがSOAです。SOAによってサービス化されたさまざまな業務アプリケーションの部品をうまく組み合わせ、新たな業務に対応したアプリケーションを組み立てるための言語というのが、BPMNの位置付けであるといえます。
SOAは数年前にWebサービスに続くブームとなり、その後あまり注目されない時期が続きましたが、オラクル、IBM、SAPなどのほとんどのITベンダはその間も自社製品のSOA化を進め、主要ベンダは自社製品のSOAを終えています。
そして次の段階は、SOAを活用した柔軟な業務への対応を実現するフェーズです。BPMN 2.0の登場は、プログラマではなく「ビジネスアナリスト」と呼ばれる人たちがビジネスプロセスをBPMNで記述し、SOA化したインフラを活かして新たな業務アプリケーションを開発するというトレンドを推し進めていくことになるかもしれません。