[速報]サンの27年間の歴史にさよなら。SPARC、Java、MySQLはオラクルが引き継ぐ。米Oracle OpenWorld基調講演
サンフランシスコで開催されている米オラクルのOracle OpenWorld 2009。初日となる10月11日(日本時間10月12日午前)に行われた基調講演には、サン・マイクロシステムズ会長 スコット・マクニーリ氏が登場。1982年に創業された同社の27年間の歴史を振り返るシーンで幕が開けました。ライブストリーミング配信された内容を基に紹介します。
マクニーリ氏は、「オラクルカラーに近い色に合わせてきたんだ」と、赤い服で登場。サン・マイクロシステムズは27年間イノベーションを続けてきたと、まもなくオラクルによる買収が完了する見通しの同社の歴史をやや感傷的に振り返ります。リストの1番にあがったのは、最初のオープンソースとなったNFS。
イノベーションはこれからも続くが、サンの従業員と株主にとって新しいチャプターが始まるとマクニーリ氏。
そしてJavaの生みの親であるジェームス・ゴスリング氏が登場。
ゴスリング氏は、ブラジルでは税金のシステムがJavaで構築されており、ペーパーレスを実現していること、ロンドンの地下鉄で、JRのSuicaにあたるOysterカードがJavaカードであることなどをあげ、Javaテクノロジーが広まっていることを紹介。世界最大級のソフトウェア会社であるオラクルで、Javaは今後も発展していくことを舞台上のマクニーリ氏と共に聴衆に訴えました。
そしてマクニーリ氏が「マイヒーロー、ラリー・エリソン」とエリソン氏を紹介して、オラクルCEOのラリー・エリソン氏が壇上に登場。
エリソン氏はサン・マイクロシステムズの買収に触れ、「両社のハードウェアとソフトウェアを統合することこそこの買収の目的だ」とし、「ハードウェアとソフトウェアのすべてのピースを1つの会社で対応できることは、どの企業も提供できていない大きな価値だ」と、この買収のメリットを繰り返し強調します。
そしてMySQLへの貢献はこれまで以上に強化することを明言、聴衆から大きな拍手が。
続いて話題は、オラクルとサン・マイクロシステムズの製品を統合した最初の製品として、先日発表したOracle Exadata 2へと移ります。
エリソン氏は、IBMを徹底的にこきおろします。「IBMはTPC-Cベンチマークに76ラックものマシンを使った、オラクルはたった9ラックだ」と、その大きさの違いをスクリーンに映して強調。「IBMの消費電力は6倍だ。彼らのプロセッサの名前はPOWERというのは、POWER(電力)ということだったわけだ」と聴衆の笑いを誘い、「しかも彼らのマシンはフォールトトレラント構成でもない。オラクルのマシンは、一部に問題が発生しても性能は落ちるが動作し続ける。しかしIBMのマシンはフォールトトレラント構成ではないから、一部に問題が発生すれば部屋全体のシステム全部が止まってしまうのだ」。
そして「あなたのOracleデータベースのアプリケーションが、IBMの最高速のマシンより少なくとも2倍以上高速に動作しなかった場合、1000万ドルを渡しましょう。IBM自身によるこの1000万ドルチャレンジへの参加も歓迎する! もしもこれ(Exadata 2)の2倍以上の性能のデータベースをメジャーなデータベースベンダが発表したら、彼らに1000万ドルの賞金を出す」と宣言し、舞台から去っていきます。
最後に再び登場したのはマクニーリ氏。「この27年間、イノベーションをエンジョイしてきた。今回の買収は株主も前向きな決断だと受け止めてくれている」とし、サン・マイクロシステムズにお別れの弁を述べつつ、基調講演の幕を閉じていきました。
追記:1000万ドルチャレンジの記述を変更しました。ご指摘ありがとうございます。
あわせて読みたい
ブロケードがなぜ身売りを考えるのか? 理由は「コンソリデーション」と「イーサネット」
≪前の記事
国内ベンダのクラウド展開が集中、Kindleが国内発売、100ギガイーサがついに登場ほか。ITNewsWeekend 10月10日号