オープンソース市場が景気後退で急拡大。年平均22%で成長するとIDCが予測
オープンソースソフトウェア(以下OSS)の市場は、景気後退の中で大幅に拡大すると、米調査会社IDCが7月29日に発表したレポート「Open Source Software Market Accelerated by Economy and Increased Acceptance From Enterprise Buyers, IDC Finds」で報告されています。
報告では、ワールドワイドでOSSがもたらす収益が2013年まで年平均22.4%ずつ成長し、81億ドル(約8100億円)に達すると予想されています。
これらの数字は昨年の予想を上回っており、その理由としてIDCでは、以前予想していたより速いペースでOSSが支持されるようになっていること、特に2008年の終わりには景気後退がOSSへの理解や採用を促進することになったことなどを挙げています。
特に、IBM、サン・マイクロシステムズ、デル、ヒューレット・パッカード、オラクルといった大規模ソフトウェアベンダが、OSSのサポートやそのほかの活動によって間接的にOSSから大きな収益をあげはじめており、これが企業の情報システムのメインストリームにOSSを採用する大きな助けになっているとのこと。
この報告を受けて、The Linux Foundationのエグゼクティブディレクター Jim Zemlin氏はブログのエントリ「Enterprise IT Hits Bottom - Open Source Holds an Intervention」に、こう書いています。
The IDC report underscores the fact that open source provides real value for the money and it took a recession for people to figure that out.
このIDCの報告は、オープンソースがお金を払う意義のある本当の価値を提供しているという事実をはっきりと示している。そして、この景気後退が人々にそれを理解させるきっかけになったのだ。
For a world addicted to high priced proprietary software this may have been the bottom that will transition the enterprise IT industry to one of shared innovation, true value for the money, and higher levels of service.
値段の高いプロプライエタリなソフトウェアにとっては、この景気後退でどん底の時期を迎えた。そしてこれは企業向けのIT業界にとって、イノベーションを共有し、本当の価値を提供し、そしてよりよいサービスを提供するための変化をもたらすことになるだろう。
彼はツイッターでもIDCのこのレポートを紹介していました。オープンソースを支える人たちにとって、このIDCの報告と景気後退はOSSの有用性を訴えるチャンスだといえます。
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