2010年の10大予想。IDCは「新興国が牽引役」「iPad登場」「クラウドの主導権争い」など
米調査会社のIDCは、2010年についての予想「IDC Predictions 2010 - Recovery and Transformation」を公開しています。
チーフアナリストのFrank Gens氏は、2010年を市場が大きく転換する年になるだろうとし、新興国が牽引役となり、クラウドが成長し、モバイルデバイスとアプリケーションの爆発的は発展などを予想しています。
10項目の予想を見ていきましょう。
1.IT Market Growth
2010年はIT市場がワールドワイドで3.2%の成長を取り戻す。
2.Telecom Market Growth
通信業界もワールドワイドで3%の成長となる。
3.Emerging Markets Lead
IT市場のリカバリの牽引役となるのはブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国で、8%から13%の成長。
4.Cloud Computing Impact
クラウドはさらに拡大し、また成熟を始めるとともに、クラウドプラットフォームの主導権をめぐる戦略的な競合も起きるだろう。さまざまなサービスがさらに登場する。
5.Moblie Device & Apps
10億以上のデバイスがインターネットにアクセスすることになり、スマートフォンはエンタープライズでもコマーシャルでも戦略的プラットフォームになる。アップルはiPadをリリースするだろう。
6.Public Nets Evolution
パブリックネットワークの重要性がこれまでになく高まる。ファイバーも3G、4Gワイヤレスもアグレッシブに改良されていくだろう。
7.Business Apps Transform
ビジネスアプリケーションはファンダメンタルな変化をとげるだろう。ビジネスアプリケーションとソーシャルソフトウェア、そしてアナリティクスソフトウェアは融合して新世代のSocialiticsと呼ばれるアプリケーションへと変わっていき、現在のマーケットリーダーに切り込んでいくことになる。
8.Sustainability Impact
エネルギーコストの上昇、(現在開催中の)COP15での環境合意などが、IT産業の新しい成長源となるだろう。
9.Intelligent Industories
他産業が不景気へと入る中で、ITの重要性はますます高まるだろう
10.M&A Activity
この予想の中で述べたようなIT業界の変化は、M&Aを加速する要因となるだろう。
Frank Gens氏は、どの変化もこれまでに見られた変化だが、これまでとの違いは、一気に大きく変化していく瞬間(Transformation Tipping Point)が2010年に訪れるだろうと、しています。そしてこれが、経済の流れを上向かせる(Economic Tide Rising)きっかけとなるだろう、とまとめています。