インテル、データセンターを1チップで模倣した「シングルチップ・クラウドコンピュータ」の開発に成功
インテルは「シングルチップ・クラウドコンピュータ(Single-chip Cloud Computer)」と呼ばれる新型のプロセッサを試作したと発表しました。
このプロセッサは、多数のサーバを高速回線で接続し大規模なデータを並列に処理する現在のデータセンターのアーキテクチャを模倣し、1チップの中に多数のコアと、コア同士をつなぐ高速なネットワークが構築されています。
そのためデータセンターでの大規模並列処理に用いられているソフトウェアにも対応できるようになっており、すでにインテル、ヒューレット・パッカード、ヤフーなどが共同でHadoopの移植を開始しているとのこと。
今回のプロセッサには48コアが1チップに搭載されており、1つのチップに搭載されたコア数としては過去最大と発表されています。また、このチップには新しく開発されたパワーマネジメント技術が組み込まれており、最小25ワットから最大125ワットまで消費電力が変化するとのこと。
インテルラボのCTO Justin Rattner氏は「このようなチップで、未来のクラウドデータセンターが想像できるだろう。それは、現在のものより圧倒的にエネルギー効率がよく、リソースが少なくて済み、消費電力も小さいのだ」とコメントしています。
インテルはこの試作プロセッサを100個以上作り、企業や大学の研究所へ提供。将来のメニーコアプロセッサのためのアプリケーションやプログラミングモデルの共同研究を行う計画です。
クラウドコンピューティングがサーバやPCの中に
この発表に合わせてインテルが公開したビデオ「Intel Labs' Single-chip Cloud Computer animation」の画面を紹介しましょう。わずか1分で、最初のCPUである4004から、将来のメニーコアCPUまで一気に見せてくれます。
このビデオによれば、将来私たちはクラウドコンピューティングの能力を1台のサーバやPCの中に持つことができることになりそうです。
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実際のビデオは以下で見ることができます。
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