[速報]「Visual Studio Live Share」発表。複数のプログラマがリアルタイムにコードの編集、ブレークポイント、デバッガ操作などを共有。Connect(); 2017
マイクロソフトが発表した「Visual Studio Live Share」は、無料のVSCodeを含むVisual Studioファミリー製品のあいだで、リアルタイムにコードの編集やデバッグなどを共有できる新機能だ。
マイクロソフトは11月16日(現地時間)、ニューヨークでオンラインイベント「Microsoft Connect(); 2017」を開催しました。
基調講演で同社は、統合開発環境のVisual StudioやコードエディタのVisual Studio Code(以下、VSCode)などで、リアルタイムにコードの編集作業やブレークポイントの設定、ステップ動作などのデバッグ作業などを共有し、共同で作業できる新機能「Visual Studio Live Share」を発表しました。
デモ:Visual StudioからVSCodeへ接続
以下は「Visual Studio Live Share」のデモのようすです。クリス氏とアマンダ氏が協力してプログラミングとデバッグをしようとしています。
これはクリス氏が開発をしているVSCodeの画面です。ここでシェア機能をスタートさせると、画面上に黄色いバーが現れてURLが表示されます。
このURLをコピーして協力したい相手にメールやチャットなどで教えます。
こちらはアマンダ氏がVisual Studioを使っている画面。シェア機能を立ち上げ、クリス氏から送られてきたURLを入力します。
すると、アマンダ氏のVisual Studioはクリス氏のVSCodeに接続。アマンダ氏のVisual Studioのファイルエクスプローラ(画面左)からは、クリス氏のVScode(画面右)で開発中のファイル一覧が参照でき、編集できるようになりました。
アマンダ氏はVisual Studioの機能を使って、クリス氏の開発に協力することができるようになりました。
手前がアマンダ氏、奥がクリス氏。相手が離れた距離の場所にいても、Visual Studio Live Shareで共同作業ができるようになります。
ここでクリス氏がVSCode上でブレークポイントを設定し、コードが実行されるようすを共有し、観察します。Node.jsなどの実行環境はクリス氏のマシン上にしかありませんが、アマンダ氏のVisual Studioの画面上にも同じ場所にブレークポイントが現れ、実行後にその場所で自動的に止まりました。
アマンダ氏はVisual Studioのデバッグ機能を用いて変数やコールスタックの状況などをチェック、デバッグを手伝います。デバッグカーソルの位置の共有も可能で、ステップ実行も共有できるため、相手がなにを調べているのかが分かります。
また、アマンダ氏のVisual Studioに搭載されているTypeScriptのチェッカーを用いて、クリス氏のコードをチェックする、といったことも可能です。
このようにしてVisual Studio Live Shareでは、離れた場所にいるプログラマ同士が、それぞれ使いやすいようにカスタマイズされた自分のVisual StudioやVSCode環境のまま、協力してプログラミングやデバッグが行えることが示されました。
Visual Studioファミリー間なら異なるOSでも利用可能
基調講演に登壇した、マイクロソフトのクラウド & エンタープライズグループ エグゼクティブバイスプレジデント スコット・ガスリー氏によると、この「Visual Studio Live Share」機能はVisual Studioファミリーであれば、Windows、Mac、LinuxなどOSが異なっても利用可能とのこと。
Visual Studio Live Shareは現在プライベートプレビューの申し込みを受付中です。
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