PostgreSQL 10正式リリース。論理レプリケーションで特定のテーブルのみ複製、テーブルパーティショニングの容易な構成など
オープンソースのRDB、PostgreSQL 10正式版がリリースされた。新機能には論理レプリケーション、宣言的パーティショニング、パラレルクエリの改善による性能向上などがある。
オープンソースのリレーショナルデータベースとして開発されているPostgreSQLの最新版「PostgreSQL 10」の正式リリースが発表されました。
PostgreSQL 9.0は2010年9月20日リリース、直前のバージョンであるPostgreSQL 9.6のリリースが2016年9月でしたので、1年ぶりのバージョンアップです。
これまでPostgreSQLのバージョンはX.Y.Zで示されるバージョン番号のうちX.Yがメジャーバージョンを示していましたが、PostgreSQL 10からはバージョン番号はX.Yの形式で示され、Xの部分がメジャーバージョンを示すことになるとされています(つまり次のメジャーバージョンはPostgreSQL 11になる)。
PostgreSQL 10の主な新機能
PosgreSQL 10の主な新機能として、論理レプリケーション、宣言的テーブルパーティショニング、パラレルクエリの改善による性能向上などがあります。
論理レプリケーション
論理レプリケーションによってレプリケーション先に対して変更したレプリケーション情報を送付できるようになります。例えばデータベースまるごとレプリケーションするのではなく、特定のテーブルの情報だけをレプリケーションするといったことが可能です。
宣言的テーブルパーティショニング
ひとつのテーブルの実体を分割して扱えるようにするテーブルパーティショニングは、例えば10年分の大量の売り上げ情報を保持するテーブルを年ごとにパーティショニングすることで、今年の売り上げを迅速に検索するといったことを可能にします。
PostgreSQL 10では、テーブル作成時にパーティショニング方法を設定することで簡単にパーティショニングされたテーブルを作成できるようになりました。
パラレルクエリの改善
PostgreSQLは以前からパラレルクエリによって高速なクエリを実現していましたが、PostgreSQL 10ではクエリのプロセスにおける並列性をさらに高めることで、より効果的な性能向上を実現していると説明されています。
そのほかPostgreSQL 10のリリースノートでは多数の新機能が紹介されています。
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