Mesosphere DC/OSがKubernetesをサポートすると発表。コンテナオーケストレーションの事実上の標準へ勢いを増すKubernetes
Mesosphereは、同社のデータセンターOS「Mesosphere DC/OS」のコンテナオーケストレーション機能としてKubernetesをサポートすると発表しました。
Mesosphereは、Kubernetesのサポートに当たり「私たちのゴールは、どんなインフラにおいてもパブリッククラウドのように“Container-as-a-Service”の体験をエンタープライズの運用チームに提供することです」と説明。Mesosphere DC/OSでのKubernetesサポートの特徴を次の3つだとしました。
- 100%純粋なKubernetesのオフィシャルディストリビューション
- パブリッククラウドのように簡単にKubernetesを実行可能
- DC/OSクラスタ上で本番品質のKubernetes運用が可能
Mesosphere DC/OSとは
Mesosphere DC/OSは、オープンソースとして開発されている「Apache Mesos」をベースに、コマンドラインインターフェイスやWebインターフェイス、関連ソフトウェアのMarathonやChronosなどを統合したものです。
Mesosphere DC/OSは仮想マシンのプールを用意し、必要に応じてアプリケーションに自動的に割り当ててくれます。例えば、Webサーバを特定のスペックのインスタンス6ノードで実行するように指定するだけで、プロビジョニングやデプロイなどの必要な作業はすべて自動的にMesosphere DC/OSがやってくれ、クラスタを立ち上げて運用の自動化までを実現してくれます。
データセンターのインフラを隠ぺいし自動化する機能を提供しているため、DC/OS=Datacenter OSと名乗っているのです。
コンテナオーケストレーションにおける事実上の標準へ勢いを増すKubernetes
コンテナをたばねてクラスタ化し、そこへアプリケーションを展開して運用の自動化などを行うツールを一般に「コンテナオーケストレーションツール」と呼びます。
Mesosphere DC/OSは独自のコンテナオーケストレーションツールとして、以前から「Marathon」を搭載していました。これにより、Mesosphere DC/OSではコンテナのクラスタを指定するだけで仮想マシンのプロビジョニングからコンテナのクラスタ運用まで自動的に行えるプラットフォームとなっています。
Marathonは、Docker SwarmやKubernetesとともに主要なオーケストレーションツールのひとつとして知られていました。
そのMarathonの基盤となっていたMesosphere DC/OSがKubernetesをサポートしたことは、主要なオーケストレーションのなかでKubernetesがまたひとつ存在感を高めたと言っていいでしょう。
先月にはCloud Foundryで独自のコンテナオーケストレーション機能を実装していたPivotalも、Cloud Foundryとは別に、Kubernetesをコンテナオーケストレーションツールとして採用し、VMware環境上にコンテナ環境を構築する新しいソフトウェア「Pivotal Container Service」を発表しています。
と同時にVMwareがオープンソースとしてKubernetesの開発をホストするCloud Native Computing Foundationへの加盟を発表しました。同じく8月にはAWSもCloud Native Computing Foundationへの加盟を発表しており、7月にはマイクロソフトも加盟を発表しています。
コンテナオーケストレーションツールは、これからさらにコンテナが普及し、コンテナをベースにしたマイクロサービスアーキテクチャを採用したアプリケーションが普及する際に、その基盤として欠かせないソフトウェアです。数か月前までその事実上の標準がどのツールになるのか予想するのは難しい状況でしたが、ここ数か月のKubernetesの勢いは競合を圧倒する勢いに見えます。
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