JavaVM「Eclipse OpenJ9」公開。IBMが「Java 9と同時にオープンソース化する」との約束を果たす

2017年9月22日

IBMは、昨年9月にサンフランシスコで開催された「JavaOne 2016」で、同社が開発してきたJavaVMをJava 9の登場に合わせてオープンソース化すると発表していました

John Duimovich氏JavaOne 2016の基調講演に登壇し、JavaVMのオープンソース化を発表したIBMのDistinguished Engineer兼Java CTO John Duimovich氏

その約束は果たされました。IBMのJavaVMはEclipse Foundationに寄贈され、Eclipseから「Eclipse OpenJ9」として公開されました。

Eclipse OpenJ9

OpenJ9はクラウドやマイクロサービスアーキテクチャに最適

OpenJ9の特徴は、高速な起動と、起動してから高速な実行速度に達するまでの時間が短いこと、メモリ消費量の小ささ、高いスループット性能など。これらはクラウドでの利用や、短時間で終了するような小さなサービスの集まりであるマイクロサービスアーキテクチャなどに適しているとされています。

Eclipse OpenJ9はソースコードのプロジェクトで、バイナリの配布は基本的には行われていません。ただし「AdoptOpenJDK」のサイトでOpenJ9によるOpenJDKが入手できます(Eclipseによる解説)。

Eclipse OpenJ9はOMRがベース

OpenJ9は、Eclipseのプロジェクトとしてすでにオープンソース化されている「OMR」をベースとしています。

OMRとは、言語のランタイムを実装するためのJITコンパイラやガベージコレクション、モニタリングなどの機能を備えており、IBMはこのOMRをベースにCOBOLやPL/Iのランタイムなどを実装してきたと説明しています。

Eclipse Foundationは、2週間前にオラクルからJava EEの仕様策定も移管されました。Eclipseは今後さらにJavaコミュニティの中で存在感を増していくのかもしれません。

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