Fedora 25ではRust言語のコンパイラなどが標準コンポーネントとして含まれることに。理由は、デベロッパーにもっとも愛されている言語だから
今年2016年11月頃にリリース予定のFedora 25には、モジラが開発しているRust言語のコンパイラなどが標準コンポーネントとして採用されると、InfoWorldの記事「The next version of Fedora picks up Rust」で報じられています。
Rust言語はモジラが中心となってオープンソースで開発されているプログラミング言語です。C言語のように低レベルのシステム開発向けに作られた高速に実行できる言語ながら、不正なメモリ領域を指すポインターなどを許容しない安全なメモリ管理と、マルチスレッド実行においてデータ競合を排除した高い並列性を実現している点が特長です。
モジラは現在、Rustを使って新しい高速ブラウザエンジンの「Servo」を開発しています。
Fedora 25での変更点などを示した「Releases/25/ChangeSet」を見ると、確かに「2 Fedora 25 Accepted Self Contained Changes Proposals」の欄に、Node.js 6.x、Erlang 19、Golang 1.7などと一緒に「Rust Compiler」が含まれていることが分かります。
また、「Changes/RustCompiler」のページにおいて「Benefit to Fedora」(Fedoraにとっての利点)を説明した項目では、RustはStack Overflowの「Developer Survey 2016」でもっとも愛されている言語のトップになっているからだとの説明があります。
In the Stack Overflow Developer Survey 2016, Rust topped the list of Most Loved languages. Packagers can begin adding programs written in Rust to Fedora. For instance, Mozilla is starting to use Rust in Firefox, and now Fedora's Firefox maintainers could enable those components.
最新の技術を積極的に取り込むLinuxディストリビューションというのがFedoraの特長とされているので、Rust言語の採用もうなずけるところではあります。
Fedora 25のリリーススケジュールによると、8月30日にアルファ版が出たばかり。10月11日にベータバンガ予定されており、正式版は11月15日を予定しています。