社内で勝手に使われているクラウドサービスを検出し、シャドーITを撲滅するサービス「Cisco Cloud Consumption as a Service」、シスコが発表
クレジットカードがあれば誰でもすぐに利用できるのがクラウドサービスの便利なところです。そのおかげで、営業部門が営業支援サービスを採用したり、資材部門が取引業者との情報共有にファイル共有サービスを導入する、といったことが進んでいます。
一方で、こうした現場でのクラウドサービスの導入を企業のIT部門が関与せずに現場が勝手に行うことで十分なITガバナンスが利なくなり、データが外部に流出するセキュリティリスクや、サービスやライセンスの重複などによる無駄なコストが発生するなどの懸念もあります。
こうしたIT部門が関与しないクラウドサービスの利用は、「シャドーIT」とも呼ばれます。
米シスコシステムズは、こうした社内で使われているクラウドサービスを検出し、ダッシュボードで一元管理できるサービス「Cisco Cloud Consumption as a Service」を発表しました。
具体的な機能として、現在社内で使われているクラウドサービスの検出、従業員のWebアクセスをモニタリングすることによる利用状況の把握、クラウドサービス利用者の特定、サービスごとのリスクの程度の提示、アノマリーに対するアラートなどを備えています。
これらの情報はダッシュボード画面で管理でき、クラウドサービスごとやリスクの程度などに応じて表示可能とのこと。
仕組みとしては、インターネットのゲートウェイとファイアウォールの部分にコレクタを設置、その情報を専用のアプリケーションで分析することで上記を実現しています。
平均してIT部門が把握している15倍から22倍ものシャドーITが見つかる
シスコは以前から大企業向けに、シャドーITのアセスメントと最適化の実現を提供する「Cisco Cloud Consumption Assessment Service」と「Cisco Cloud Consumption Optimization Service」を提供していました。それによると、これまで平均で、社内のIT部門が把握しているクラウドサービスの約15倍から22倍もの「IT部門が関与しないクラウドサービス」が発見されるとのこと。
シスコはこうしたシャドーITを発見してガバナンスを利かせることで、リスクを下げ、コストを削減できるとしています。
今回発表された「Cisco Cloud Consumption as a Service」は、中堅中小企業向けにパートナー経由で提供するもの。利用料金はおおむね従業員一人あたり月額1ドルから2ドル程度。
あわせて読みたい
「本番環境などという場所はない」マイクロソフトがSaaSの失敗と成功から学んだ、アジャイルからDevOpsへの進化(前編)。Regional SCRUM GATHERING Tokyo 2016
≪前の記事
来年度(2016年度)の国内企業におけるIT予算、4割以上が「増やす」と回答。日本情報システム・ユーザー協会の調査