国内クラウド市場、2015年度は1兆円を突破していた。2020年度には3倍の3兆円超えに。利用しているクラウドの1位はAWS、Azureが追い上げ中。MM総研
プライベートクラウド、パブリッククラウドを合わせた国内のクラウド市場は2015年に対前年度比33.7%増の1兆108億円、2020年度には3兆3882億円と3兆円を超える市場に成長するという予測を、MM総研が発表しました。
同社が予測した国内クラウド市場とは、プライベートクラウド(ホステッド、オンプレミス、コミュニティ)、およびパブリッククラウド(IaaS/PaaS/SaaS)を合わせたもの。
プライベートクラウドの市場規模は、2015年度に前年度比39.7%増の7352億円。2020年度まで年平均30.3%成長し、2兆7644億円になると同社は予測。
パブリッククラウドの市場規模は、2015年度に前年比19.8%増の2576億円。2020年度までに年平均17.7%成長で2020年度には6238億円に達すると予測されています。
シェアトップのAWSをAzureが追い上げ
法人に対する利用中および検討中のクラウドに関する調査では、パブリッククラウドのIaaS/PaaSでもっとも利用されているのはAmazon Web Services、続いてMicrosoft Azure。4位に富士通、5位にさくらインターネットのサービスがランクインしています。
■パブリッククラウド(IaaS/PaaS)の利用サービス(n=223、複数回答)
1位 Amazon Web Services(34.1%)
2位 Microsoft Azure(20.2%)
3位 Google Cloud Platform(10.8%)
4位 FUJITSU Cloud IaaS/PaaS(10.3%)
5位 さくらのクラウド(9.0%)
現在検討中のサービスとしては、1位がMicrosoft Azure、2位がAmazon Web Servicesと、順位が逆転しており、Microsoft Azureが追い上げていることが分かります。また、4位にはIBMのBluemixがランクインしています。
■パブリッククラウド(IaaS/PaaS)の検討サービス(n=129、複数回答)
1位 Microsoft Azure(25.6%)
2位 Amazon Web Services(20.2%)
3位 FUJITSU Cloud IaaS/PaaS(16.3%)
4位 IBM Bluemix(13.2%)
5位 Google Cloud Platform(10.9%)
一方、ホステッド・プライベートクラウドでは、利用中のサービスのトップはNTTコミュニケーションズのサービス、続いて富士通のサービスとなっています。
■ホステッド・プライベートクラウドの利用サービス(n=390、複数回答)
1位 Enterprise Cloud(NTTコミュニケーションズ)(19.2%)
2位 FUJITSU Cloud IaaS/PaaS(18.2%)
3位 IBM Bluemix(17.2%)
4位 KDDI クラウドプラットフォームサービス(13.8%)
5位 NEC Cloud IaaS(13.6%)
ホステッド・プライベートクラウドで検討しているサービスのトップはIBM Bluemix、2位が富士通のサービスとなりました。
■ホステッド・プライベートクラウドの検討サービス(n=151、複数回答)
1位 IBM Bluemix(15.9%)
2位 FUJITSU Cloud IaaS/PaaS(15.2%)
3位 NEC CLoud IaaS(14.6%)
3位 SmartCloud(NTTコムウェア)(14.6%)
5位 Enterprise Cloud(NTTコミュニケーションズ)(13.9%)
5位 KDDI クラウドプラットフォームサービゥ(13.9%)
MM総研はこうした調査結果を「国内ベンダーはプライベートクラウドの領域を中心に生き残りをかける構図が鮮明になってきている」と評しています。
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