AmazonがAWS単体の収益を初めて発表。2015年1月~3月で売上が約1850億円、利益は300億円超
Amazon.comは、これまで開示してこなかった「Amazon Web Services」単体での売り上げと利益を、4月23日付けで発表した2015年第1四半期決算資料の中で初めて明らかにしました。
2015年1月から3月のAWSの売り上げは15億6600万ドル、利益が2億6500万ドル。日本円にして売り上げが約1848億円、利益が約313億円(1ドル118円相当で計算)。売り上げを2014年の同四半期と比較すると約50%の成長率。
ジェフ・ベゾスCEOは「Amazon Web Servicesは50億ドルのビジネスであり、急成長中だ。実際にそれは加速している」(Amazon Web Services is a $5 billion business and still growing fast — in fact it’s accelerating)と決算発表の中でコメントしています。
この発言と決算を見合わせると、おそらく昨年1年のAWSの売り上げが50億ドル相当だったと推測されます。そこから約50%あるいはそれ以上の成長だとすれば、2015年の売り上げは80億ドル規模になりそうです。
Amazon.com全体の1月から3月までの売り上げは227億1700万ドルで、AWSの売り上げは全体の約7%弱。
競合他社の売り上げはどうなっているのか?
約50億ドルと推測されるAWSの売り上げ規模は他社と比べてどうなのか。競合他社の直近の四半期決算発表をピックアップしてみました。
ただし各社ともクラウドという名目にどのような売り上げを組み込んでいるかは異なっているため、きちんと比較するにはアナリストなどによる分析が必要です。その点に留意しつつ、参考程度に見ていただければと思います。
マイクロソフトが4月23日付けで発表した、2015年1月から3月の決算発表「FY15 Q3 - Press Releases - Investor Relations - Microsoft」から。
Commercial cloud revenue grew 106% (up 111% in constant currency) driven by Office 365, Azure and Dynamics CRM Online, and is now on an annualized revenue run rate of $6.3 billion
クラウドは106%成長で、年間売り上げにすると63億ドルとのこと。
IBMが4月20日付けで発表した、2015年第1四半期の決算資料「IBM REPORTS 2015 FIRST-QUARTER RESULTS」(pdf)から。
-- For cloud delivered as a service, annual run rate of $3.8 billion compared to $2.3 billion in the first quarter of 2014;
今四半期が38億ドル。1年前の2014年第1四半期が23億ドル。
ちなみに2011年までSoftLayerは決算を公開しており、2011年6月から9月までの四半期の売り上げは8500万ドル(0.85億ドル)。IBMがSoftLayerを買収し、データセンターに12億ドルの投資を発表したのが2014年1月。
セールスフォース・ドットコムが2月25日付けで発表した決算発表「Salesforce Announces Fiscal 2015 Fourth Quarter and Full Year Results -- SAN FRANCISCO, Feb. 25, 2015 /PRNewswire/ --」から。
-- Quarterly Revenue of $1.44 Billion, up 26% Year-Over-Year -- Full Year Revenue of $5.37 Billion, up 32% Year-Over-Year
2014年11月から2015年1月までの四半期売り上げが14億4000万ドルで年26%成長。この1年の年間売り上げが53億7000万ドルで年32%成長。
日本で昨年の年間売り上げが約50億ドル(約5900億円)前後の有名企業には、大塚商会(約6000億円)、東武鉄道(約5930億円)、キユーピー(約5530億円)などがあります。
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