「クラウドでオラクルは勝ち残っていきますよ」、エリソン氏直属のチーフコーポレートアーキテクトに、OpenStack採用とクラウド戦略を聞く

2014年10月20日

オラクルは急速にクラウドへと舵を切っています。クラウド基盤ソフトウェアとしてOpenStackを採用し、SolarisにOpenStackを統合、Oracle版のOpenStackディストリビューション(Oracle Linuxと同梱)などの製品をリリース。また先月サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorld 2014で、パブリッククラウドをAmazonやGoogleと同じ価格で提供すると宣言しました

オラクルのクラウド戦略について、ラリー・エリソン氏直属のチーフコーポレートアーキテクト エドワード・スクリーベン氏にインタビューを行いました。

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オラクルはクラウドで勝ち残っていきます!

──── オラクルはOpenStackの採用を発表し、製品をリリースしました。今後すべての製品がOpenStack対応になっていくのでしょうか。

スクリーベン氏 長期的にはOpenStackですべてを管理する方向です。しかし顧客はすべてのサーバをOpenStackで管理したいとは必ずしも考えていない場合もあります。例えば特定用途のアプライアンスなど、クラウドに乗せないアプリケーションやシステムもあるでしょう。

──── 例えばOpenStackを採用するといった戦略上の大きな決断は、オラクル社内でどのように行われるのですか?

スクリーベン氏 OpenStackの採用は会社の戦略の大転換というよりは戦略上の自然な帰結といえますが、そうですね、オラクルの経営チームはラリー(エリソン氏)、サフラ(新CEOの1人、サフラ・キャツ氏)、マーク(ハード氏)、私などを含め、とても緊密に顔を合わせてビジネスイシュー、テクニカルイシューを議論する環境にあります。それは役員会とか決まった会議ではなくもっとカジュアルなものですが、週に一回以上は会って話をしています。

そうしたなかで方向性などが決まっていくのです。形式張ってはいませんが、まあラリーが「これはやるべきではない」と言ったことについてやることはありませんね(笑)。

──── 先日のOracle OpenWorld 2014で、オラクルがIaaSの価格をAWSやGoogle並の低価格で提供すると発表したのには驚きました。オラクルはAWSやGoogleと比べるとまだインフラの規模はとても小さいはずです。大手並の低価格をどうやって実現するのですか?

スクリーベン氏 オラクルはハードウェアベンダでもあり、自分たちでサーバを作っています。AWSがサーバベンダに対して支払っているマージンは私たちにはありません。私たちは自分でサーバを最適な状態にできるわけで、そういった優位性があります。

──── サーバのハードウェア価格だけですか?

スクリーベン氏 もちろんハードウェアだけではなく運用のための人件費についても考えています。IaaSは非常に自動化されており、人手が掛かることがほとんどなくなっています。

──── クラウド市場にはAWSなど先行している競合がいます。オラクルはこの市場でどう勝ち残っていくのでしょう?

スクリーベン氏 もちろん、オラクルは勝ち残っていきますよ!(笑) それはイノベーションを通じてであり、オラクルのデータベースやミドルウェアはエンタープライズにおいてとても重要な位置を占めているからでもあります。オラクルのPaaSはそうしたものを提供するプラットフォームであり、IaaSは顧客のシステムをクラウドへ展開していくに当たり、とても自然な拡張性を提供します。

これはほかのクラウドベンダにはできないことであり、そうした面で私たちは他社に先行していけると思います。

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Junichi Niino(jniino)
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