IBM、PaaS型クラウド「BlueMix」を6月末に正式公開へ。IBM Innovate 2014
昨年SoftLayerを買収、12億ドルもの追加投資を発表して急速にクラウドへ傾倒するIBM。2月にラスベガスで開催されたイベント「IBM Pulse 2014」に続き、米フロリダ州で今週開催されているイベント「IBM Innovate 2014」でも、同社からのメッセージの中心はクラウド、特に同社が現在ベータ公開中のPaaS型クラウドサービス「BlueMix」です。
PulseはTivoli関連のイベントであり、今回のInnovateはRational関連のイベントですが、そのいずれのイベントでも「クラウド」「BlueMix」がキーワードになっていることからも、いかに同社がこの分野に注力されているかがうかがえます。
6月末にBlueMixを米国で正式公開。日本にもデータセンター開設
イベント初日のゼネラルセッションに登壇したIBMクラウドプラットフォームサービス General Manager、Steve Robinson氏。彼の発言内容を以下に短くまとめます。
デベロッパーコミュニティでは新しいルネッサンスが進行中だ。
スタートアップが自分たちのアイデアをわずか数人のチームで実現できるようになり、世界各国の大学でプログラミングコースが人気を集めるようになってきている。デベロッパーこそ新しいキングメーカーだと言われている。
アンリミテッドなマシンパワー、アンリミテッドなデータ容量、必要に応じてスケールできるクラウドは、プログラミングにおける課題を消し去ろうとしている。
しかしまだプログラマ全体の5%しかクラウドでの開発に取り組んでいない。そこにはまだ大きなエンタープライズの資産を持ち込める余地がある。
だからこそIBMはクラウドに取り組みBlueMixを開発している。十年もの間ミドルウェアを開発してきた経験が私たちの強みだ。
4つのBlueMix上の新しいサービスを発表する。
AppScanはアプリケーションの品質を維持するためのサービス。2つ目は、自動ビルドプロセスを実現するサービス、3つ目は複数のサービスをワークフローとして接続できるサービス、そして4つ目はCognosからレポーティングエンジンのサービスだ。
2月にベータを開始したBlueMixだが、米国ではBluMixを6月末に正式公開する。今後さらにグローバルに展開していく予定だ。
Robinson氏が示した上のスライドには、日本にBlueMixのデータセンターが置かれていることを示しています。現在IBMは日本にBlueMixの基盤となるSoftLayerのデータセンターがあることを発表していませんが、年内にも国内データセンターがスタートすることを明らかにしており、そこでBlueMixが稼働することをこのスライドは示しているのかもしれません。ただし日本IBMの広報にコンタクトしたところ、現時点で発表できることはないとのコメントでした。
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